反語/杉原詠二(黒髪)
ぎない
完全なる定へと至った
子どもの頃
ぼうっとしていたから
流れていってしまい
眼を悪くしたわたしを気遣って
極度の優しさで
導いて下さったのだと思っています
反転する明暗にも
裏切りの滅した愛が光を放つ
もはや天に従い
わたしを捨てる必要もない
天上天下唯我独尊
愛のこもった反語をもって
わたしたちの愛が完成される
止観の至り
仏さまの微笑み
信じていた
信じていたんだよ
だから分からなかったんだ
盲目な愛より眼耳を開いて
すべてこの眼と耳に収めよう
すべてのものの中で
最も完全な
この愛が
まもなく成就する
愛は証
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