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ja
Poems list
2024-03-29T14:28:19+09:00
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音のないいつしみで満たされて静かに
涙に濡れた木々は
かみさまのことを考えるのだろう
夜の底に沈むもののことなど
誰も想起しやしないと
諦めたのはいつの頃だろう
その日から沈没船は嘆くことさえ辞めてしまった
動かない足は
もはや痛むことはなく
歌わない喉は
枯れることもない
ただ時間だけ 時間だけが流れて
子猫が欠伸をする
穏やかな夢は蝶のようにひらりと舞い上がり
そして同じくぱたりと閉じる
泣かないで泣かないでと
遠い記憶の中で
誰かがしきりに髪を撫でてくれた
終息の夜の硝子の寝床で
つめたさに抱かれて
もう 息をすることだって
わすれてしまってもだいじょうぶ と ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=298845
自由詩
2014-11-08T14:42:17+09:00
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雪が黒いアスファルトに吸い込まれてく
天からきたものたちは
天に還るなんて 嘘
こころについた傷はね 治っても 痕 消えないの
あなたは笑う そうやって傷跡をかばうみたいに
さらさらと 雪がやまない
指先が 痛いよ つめたくて 痛いよ
春の雪は 積もらない 雪
なんども繰り返しみてきたから知ってるの 私
積もることができないで
振り落ちて
すぐに消えてなくなる雪だから
もう 痛くないの
えぐれた痕は そのままだけど
もう 痛くないのよって
繰り返さないで
まだ 痛いくせに
うそつき まだ 痛いくせに
雪が 積もればいい
あなたの上に
雪が 積もればいい
わたしの上に
まっしろく まっしろく まっしろく まっしろく
むかしみた 雪のはら みたく
雪が積もれば いいのに ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=250745
自由詩
2012-03-20T12:23:17+09:00
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やさしい石
触ったら
さらさら
河原の
ちいさい石
拾ったら
すべすべ
河原の
しろい石
包んだら
すやすや
河原の
まんまるい石
ぶつけたら
からわら
河原の
つめたい石
落としたら
かつん
河原の
たくさんの石
並べて
並べて
河原の
いとしい石
集めて
集めて
きらきら
ひかる
川面に
投げる
ぽしゃん
ぽしゃん
ぽしゃん
ぽしゃん
河原の
石ころ遊び
ひとりで
ひとりで
河原の
石ころ遊び
かつん
ころん
ぽしゃん
ぽしゃん
ぽしゃん
ぽしゃん
かちん
ごちん
何が
いけないってゆうの
何が
いけないってゆうの
何が
いけないってゆうの ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=235046
自由詩
2011-06-21T16:27:56+09:00
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すいと飛んでいくみたいに
夏の夜の終わりみたいに
死んでしまった人
のことを考えてるよ
ちいさなわたしの部屋だから
プラネタリウムもすこし窮屈で
電気のかさのとこでぼこぼこなって
夏の大三角
はちゃんと投影できないみたいです
ほら、眼鏡をはずして天井をみるとさ
星も月も天の川も全部混じって
乳白色のさらさらがくるくる動くから
とおくとおくの銀河系
の写真を思い出したんだよ
消えてしまったんじゃないよって言って
見えないだけなんだよって私に教えて
とおくとおくの恒星が、ぱちんとはじけるみたいに
とおくとおくのちりの数粒
が今また星になってうまれるみたいに ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=234712
自由詩
2011-06-15T01:24:45+09:00
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いつもさらさら
かぜのおどるうみ
くるぶしのあたりで
さふさふ ささふ
くすぐったくて
つめたい あおいろ
あめいろのひかりの
いつもきらきら
みおろす ちじょうは
さるすべりのはな
まんかい
てんのみずうみの
みなもごしに
ゆらゆら
ゆらゆら
ももいろにゆれるのが
いとしくて
さよなら
さよなら
さよならって
おおきく
おおきく
てをふるのよ
いつでも
いつでも ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=215797
自由詩
2010-08-09T00:14:28+09:00
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ふりそそぐ春の雨は
ぎんいろの ひかり
松の木の葉の先の
あの ほそいほそいところまで
全部 ゆるす みたいに
丁寧に 丁寧に降る雨
小鳥が
木の下で雨やみをまってる
やわらかな苔のクッション
時計は 眠っているから
そっと しておくといい
隙間に うずくまって
誰にも みつからない ここなら
と と ぷ
と と ぷ
揺れてこぼれる
葉の先から 白い水玉
空気は濡れていて
空は明るい
古い木の窓枠
ほこりと 緑と 水のにおい
ゆるしてくれる?
ゆるしてあげる
シャンと薄いカーテンを引くと
小鳥はいっせいに飛び立って
松の枝は ちいさい銀色を無数に撒き散らして
揺れた
空が明るい
あたたかな
涙をのみこむときみたいに
胸がつまって
痛むたましいは
ああ きっと
こんな雨を
待ち続けていたんだろう ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=183701
自由詩
2009-04-21T23:32:07+09:00
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さかなたちは眠りをしらない
そういうふうに作られたから
それを不自由だとも思わない
・
時計台の上で
ねじまき係の少年が
ただ夜を巻きつづける
そういうふうに作られたから
それを 厭ったりはしない
夜虫がまた夜に還っていく
闇色の結晶の体
溶けていく 消えていく
そういうふうに作られたから
それを 悲しんだりしない
機織りの娘が 神さまの衣を
ひとり つむぐ
白と えめらるど と 群青
ひかる糸が 娘の頬をきらきら照らす
そういうふうに作られたから
それが 不思議 だとしらない
・
魚たちは一心に夜を渡る
身をよじってわたる
うろこがはがれて
はらはら 光る
そういうふうに作られた
さかなの群れを
そういうふうに作られた
夜の光が照らしている
一心に渡るさかなの群れを照らしている
夜の時間は
流れていく
そういうふうに作られたから
さかなたちは
それが とめどなくおおきな
僥倖だと きづかない ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=171977
自由詩
2008-11-27T01:30:26+09:00
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君のよりほんのすこしだけ大きい
ふたつ
おでこを重ね合わせて
つめたい ぬくもり
鳥がないてる
白いやつ そう
尾羽の先が 透明のやつさ
ふるるるる
遠い 故郷の鈴の音に似てる
さら 雨がふる
さら 雨がふる
ユキヤナギの枝の隙間から
空が見えるよ
あまい灰色の雲
遠く とおく
僕らはこんな
遠くの空で
また それより遠くの空を眺めてる
じっと見てる
君の目にも
僕と同じものがうつってるの
そんなことさえも わからないのに
僕らは ふたりでひとつ
それがほんの少し 可笑しい ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=171373
自由詩
2008-11-19T00:07:26+09:00
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そうじゃなくて 第二楽章のほうよと君はいう
ららるあ つきの
夜にすむものたち
うたをうたいなさい
ららるあ
つきの ひかりの
うたを
橋の上で月を見る
石の橋だ あたらしいコンクリートの
雨の降ったあとの川は
カエルの潰れたやつみたいなにおいだと
君はうたうようにわらう。
ららるあ つきの
夜にすむものたち
うたを かなでなさい
ららるあ
銀の
笛で
しずかに
僕の肩越しに指さす
あれは こいぬ おおいぬ
うしかい とかげ かしおぺあ
星の名前をかぞえて うたう
君の髪の毛を風が梳って
薄い 石鹸水の匂い
ららるあ つきの
夜にすむものたち
うたをささげなさい
ららるあ
つきが よろこぶ
うたを
月が近づいてくるのよ
月はみちてゆくのよ
からだの中がざわざわ、波打つ
君はそういって しくしくないた
君はそういって つめたい肩をふるわせた
ららるあ あかるい
つきのもとで
うたをうたいなさい
ららるあ
やさしい しろい
うたごえ
明るい月だ
帳が下りるように
夜の時間は流れていく
細く細く ガラスの液体になって
水色と翡翠色と透明が
ほどけるみたいに
君が夜の空にのぼってくのを
僕は確かに みた ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=168504
自由詩
2008-10-13T21:44:13+09:00
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何か 善いもの
流れてく
何か 悲しいもの
流れてく
何か 愛しいもの
緑色の深い河が
ごうごうと{ルビ常世=とこよ}の国へと流れてく
お別れの日に
笹舟に乗せてそれを流した
もう二度とあえないことをおもって
ほんの少しだけ泣いた
その涙さえ 飲み込んで
どくどくと河が流れる
(何もかもが流されていきますように
何もかもが流れ着きますように)
お祈りの言葉はひとつづつ
こぼれて おちて また流れる
さらわれて 浮いて沈んで 見えなくなって
ぱらぱらと そして どくどくと
流れてく 流れてくよ もう、追いかけることもできない
遠く水平線の向こうまで
それらが追いやられたのを
手を振って 見送って
わあわあと 泣いた
お別れの日とさえも
ああ もうお別れしなければいけない
河は
だぶだぶと 声を上げる
(何もかもが流されていきますように
何もかもが流れ着きますように)
(何もかもが流されていきますように
何もかもが流れ着きますように)
(何もかもが流されていきますように
何もかもが流れ着きますように) ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167955
自由詩
2008-10-07T20:09:56+09:00
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おだやかな憂鬱を
静かに食む
紅色の金魚
希う{ルビ=こいねがう}
希う
明るい日差し
光はたおやかで
あまり
あまりたおやかで
眼には見えない
夢を見た痕の
吸い込まれる
みたいな
哀しみの色に似ていて
ふくふくと
金魚は憂鬱を 泡にして
憂鬱は 泡となり
希う
希う
明るい日差し ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167698
自由詩
2008-10-04T20:44:43+09:00
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太陽と土と水と消毒液と、
子供の手のひらの匂い
如雨露の水をさぶさぶとそそいで
川ができた 虹ができた
おやつの時間だから
でも、おしまい
小さな頃の教室の匂いを覚えてる
哀しみとコッペパンと甘さと雑巾と
雨上がりの夕焼けの匂い
突っ伏して、しょっぱい机
一人で行くよ 一人は厭だよ
おしまいの時間だから
もう、さようなら
小さな頃に見た夢の匂いを覚えてる
追いかけ鬼とおしっことマカロンと母さんと
タオルケットの汗の匂い
あふれてとまらない洪水の記憶
さかなになって とりになって
逃げてく捕まる
死んじゃう おしまい
小さくない私が、小さい私の匂いを覚えてる
夢で見た洪水の匂い
砂場の虹の匂い
机にしみ込んだ涙の匂い
混沌として 大きくて 小さい 匂い
せかいは 思いのほか小さくて
思いのほか 大きかったよ
深呼吸する 覚えてる
あの、匂い ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167630
自由詩
2008-10-03T22:37:31+09:00
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かなしくてうれしくてたのしくてさびしい
それにきづいてしまったので
ひとりでおどるつきのよる
まっしろなまっしろなかみをひろげて
そのうえで
くうるくる
くうるくる
おどるおどるつきのよるに
ゆきがふるみたいに
ひかりふりそそぐみたいに
ふってくる
ふってくる
わたし
わたし!!
そう わたし!
おどるよ そうここで
くうるくる
くうるくる
おどる
おどるよ
わたしはおどるよ
くうるくる
くうるくる ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=167153
自由詩
2008-09-27T22:10:16+09:00
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川は 孤独を知らない
ゆらゆらの橋を渡る
透明な人たちを
見送る僕は
少しだけ こどく
遠く遠くの
さざなみの
空と雲との間を
すぅすぅと
ゆれてる みたいな
こころ
気持ちの中の
すべすべとした 平たい部分を
探してみる
たぶん
神様というのは
本当のこと 以外の
全てを知ってるひと
ざぶざぶの川に
足を浸して
透明な橋を
誰もかもが渡りきるまで待ってる
お祈りは しない
けれど 心の隅のほうで
少しだけ
神様 のことを思った
浸した足の
上の方と下の方を
いくつもの
水と光の粒子が
くるくると回りながら
流れてく 流れてくよ ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=119943
自由詩
2007-05-24T23:56:22+09:00
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サンダル履きの公園の夜は
ぺたぺた鳴って
つきあかりの ひとつ ふたつ
ジャングルジムに落ちて さらさら
こねこのあばらは細く細くて
何度でも 私の手のひらに押しつける
ざらざらの
汚れた毛並み
あしあとはずるりずるりと砂利道を引きずって
長く 長く
月がまあるい くぼみにたまって
たぷん
額をなでる 風の冷たさ
髪の毛を梳くみたいに 夜のにおい
ちゃんと ここにいるよ
ここに いるよ
わたし
淋しいから ひとり
遠くで鳴る 鳴る
たぶん 救急車の音
淋しいから ひとり
ざわざわと 心臓
血が 流れてく 音
淋しいから ひとり
きちきちと爪を鳴らして
目を閉じても 夜
目を開けても 夜
淋しいから ひとり
淋しいから ひとり ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=117800
自由詩
2007-05-09T00:42:23+09:00