http://po-m.com/forum/
ja
Poems list
2024-03-29T07:44:29+09:00
-
一滴の血も 涙も流さず 死んだ
さて 何を手向けよう
君に愛されなかった僕のピースの
さて どこから憎んでいこう
果てしなくて
呆然としてしまうな
何ピースあんのかな
思えば手向ける場所もないな
いっそ君が死んでくれたら
お墓に勝手に手向けるのにな ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=382323
自由詩
2024-03-19T20:51:53+09:00
-
祝福の花束を作り続けるの
枯れては編んで
編んでは枯れて
まだかなあ
まだかなあ
いつになったら孵るかなあ
わたしあなたのお母さんよ
報われなくても
救われなくても
あなたのお母さんよ 必ずよ
艱難辛苦も甘くて美味しいわ
だから
お願いよ
お願いよ ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=382322
自由詩
2024-03-19T20:41:28+09:00
-
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。
レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけこころに暗いゆとりをくれる。
痛みを堪えて、押し広げて、
何かを探して。
見つからないものは存在しないものだと、
決めつけるに価する何かが見つかるまで。
歯を立てる。むかつきながら。
飲み込む。諦めながら。
ねずみ色の朝と戦うために。
ドブ臭い夜に溺れないために。
それは、何のために……? ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=382320
自由詩
2024-03-19T17:55:59+09:00
-
忙しくて
あなたの影ができない
光さんざ降る 窓の外にも
薄暗いお家にも
心の 海原にも 大地にも
忘れないで 忘れて 忘れないで
あなたの声が
不快な鳴音となり 夢を襲う
優しかったあなたが
初めてわたしを苦しめている ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=380640
自由詩
2023-12-10T21:24:57+09:00
-
鳥たちの目覚めは
僕が態々うながさなくたって早い
やあ、おはよう
僕は君たちの住みかで、お墓さ
霧は粘膜
僕はねぶられて、びっちょりになる
空はすっかり裸で、月はその胸元を飾る真珠
ああ 夢のようだ
僕は空と愛しあっている
僕、
無数の動物や人の骨を飲み込んできたんだ
自分じゃもうわからないけど、きっと臭くて
もう昔みたいに聖なるものは寄り付かなくて
カスみたいな虫の飛び回るこんな僕の体を
抱きしめてくれるんだね
葉っぱの擦れるのを抑えられなくて
こんなんじゃ嫌われちゃう、
小鳥たちも見ているし
丁度、僕の一番嫌いなアイツも
揚々と目を覚まし、うるさく光りはじめた
みんな目を細めて、彼を見ているけど
僕は知っている
彼が、毎朝毎晩、誰にもバレない隅っこで
こうして彼女を抱くのを
赤く染まっていく彼女を見ながら
僕は、葉っぱを揺するのをやめられない
いつか彼女を彼から救うのだ
でも僕の、
濡れて冷えた体は、また火照っていく ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=380473
自由詩
2023-11-29T21:45:21+09:00
-
あったことを忘れるくらい
少しずつなくなってしまった
零れるとも消えゆくとも
表現しがたい喪失よ
愛おしかったのだろうか
それとも
疎んでいただろうか
どちらでもなく
どちらもそうだったような
喪失だけがそこにある
今となってはもう
いつか俺は 遠く 高く
喪失のおかげで 軽くなった体で
風船のように飛んでいこう
いつ終わりが来ても構わない
僅かな怯えさえ空を曇らすほどではなく
突き抜けるような 青い 青い
喪失の向こう側へ ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=380210
自由詩
2023-11-11T22:48:29+09:00
-
みんなの注目を浴びて
正義のような気がしちゃって
愛されているような気がしちゃって
真理のような気がしちゃって
もう一桁増やして
みんなのことが疑わしくなって
正義とは何か考えはじめて
愛は霧のように手応えなくて
真理の淵で進退極まって
更にもう一桁増やして
みんなもう飽きて
正義など無い
愛など無いと
真理はここへ飛び込むことと知って
それでも悪あがき
赤ん坊のようにぎゃんぎゃん泣いて
誰か誰かって ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=380209
自由詩
2023-11-11T22:47:13+09:00
-
開かない蓋
開きそうで開かない蓋
固い蓋
瓶の中身は歪んで見える
瓶の外のわたしは歪んで映る
正常な精神と
健康な肉体と
よくわからない瓶の中身
綺麗だと感じた次の瞬間
おぞましく感じたり
悲しくて涙が溢れてきたり
訳もわからず笑えてきたり
最後にはすべて忘れようと努める
瓶を戸棚の中にしまう
でもどうしても気になって
時々引っ張り出す
叩きつけて割ってしまおうかと思う
そんなことを数十年迷っている ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=379237
自由詩
2023-09-18T10:25:29+09:00
-
ひとつしか置けない椅子
空にも海にも嫌われたぼくらの青い瞳
その頬に伸ばして撃ち落とされた左手
羽ばたく魚 溺れる鳥
黄色い旗 黒い丘
愛そのものだった内臓
とりわけ心臓の鮮度
ふたつのドッグタグ
神の沈黙 天使のなきがら
知らないうちに転調が済んでいた音楽
倫理に唾を吐き 道徳と刺し違えても
手にいれたかった僕の生き写し
歌ってくれよ 笑ってくれよ
僕らは元々ひとつだったんだ
この星に落ちるとき
どこかにぶつかって割れてしまっただけの ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=378604
自由詩
2023-08-12T23:28:56+09:00
-
わたしが眠れるまで待ってほしかった ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=378324
自由詩
2023-07-24T04:04:46+09:00
-
丁寧に均した心に地平線はあるか
太陽はそこに沈みゆくのか
月はそこから昇るのか
それでお前は納得がいくのか
安らかに眠れるのか ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=377939
自由詩
2023-06-25T23:30:28+09:00
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はっきりと思い出せなくなっていたあなたの横顔、
今こうして隣で金色の風を浴びて、
火のようにはためく髪と、
水底のような瞳が細められるのを見て、
どうしてこんなに美しい人をわたしは手離したのか、
二度と無い運命をどうして煩わしいと思ったのか、
心底馬鹿馬鹿しくて、
夢と知りつつあなたに笑いかけ、あなたも笑い返すものだから、
空は夜へと、朝へと、夜へと、
目眩く速度で変わり、それを怖いとも思わず、
「大丈夫いつか終わるものだから、
わたしは幸せと不幸を上手に食べわけられなかったけど、
いつも満たされていたから、」
たどたどしいあなたの言葉が、
藍色の雲を鮮烈に切り開き、夢は終わった。
けさは雨だった。 ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=377733
自由詩
2023-06-10T00:46:13+09:00
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貝殻を失ったヤドカリと
銀の波を見て、心揺られて
想像は波止場を知らないでいてほしい
創作は自分を掬い続けてほしい
美しいものを見て目を輝かせる
人間という生き物がいる、そのうちは
何度も何度も、砂を噛む ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=376558
自由詩
2023-04-07T17:48:11+09:00
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キュッキュッ、と音を立てている、あちこちで
たくさん売れ残っているコロッケ
棚の照明が消える瞬間を見た
わたしは
いくつ見逃して生きてきた?
死んだ蛙の匂いが
アスファルトからむわっとにおい、
アーケードの下の自動販売機は
売り切れの赤いランプがいくつか、
"たくさん"に"いくつか"…
適当に数えてきたものの報いが
少しずつ頭を蝕んでいた
そう遠くない崩壊!
楽しみにしていた映画に
行く気が無くなってしまった
一瞬の悪魔が歯茎をむき出しにしたとき、
在りし日のわたしは
空を見上げて阿保の面をしている
鱗雲を数えている… ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=376340
自由詩
2023-03-25T19:05:22+09:00
-
それは狂暴ではなく、捕獲も容易だが
肉が硬く、臭くて食べられない
猫や犬のように見た目が可愛くもなく、
吃驚するほど大量の餌を必要とするので
飼育にも向かない
目に映るもの何でも食い散らかしてしまう
この辺りの人たちにとっては困り草だ
それにとって、あれは天敵である
あれは光輝く毛並みと、
人懐こい笑顔を湛えていて、
この辺りの人たちにはとても好かれている
しかしその眩しさゆえに影が濃く、
うっかりあれの影をまじまじ見つめてしまうと
足を喰われて帰ってこられなくなる
それはこちらをじっと見ている
毛を逆立て、目を凝らし、耳を澄ませている様子だ
わたしは彼を抱き抱えようとした
バクリ、思いもよらなかった力で
人差し指が喰われた
でもわたしは怒る気持ちになれなかった
流れる血で、彼の絵を土に描いた
遠くであれが鳴く声が聞こえた
わたしとそれは暫く見つめあっていた
やがてそれはわたしの描いた絵の上で丸まり、
眠りはじめた ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=376228
自由詩
2023-03-18T15:44:13+09:00
-
雨だ。一弦を鳴らし、
耳に少し明るすぎる音を確かめて、
朝はもっと暗くあろうと努める
そうしないと、不理解が空を覆い尽くしてしまいそうでしょう
雨が止んだら、洗濯物を干し、
惨めな信者の最期にひとかけのパンを
小肥りの雀たちによく熟れた稗を
世界の未解明に花束を、
編み、
高い場所を思う。
人の心の、生と死へのアプローチの方法として
最も残虐な方法を選んだなら、
人をやめることができ、ますか。
私はただ楽しくありたい
馬鹿でいい、幸せでありたい
肉の器、与えられた臓器では
息ができなくて消化もできなくて
苦を、戴いている
音。音を楽しむ。歩み、歩みには音がある。
止まるなら止まるで、静けさは楽しい。
暗い。暗さを楽しむ。それでも私は相対的に明るい。
どう足掻いても相対的に私は明るくて、
影に憎まれ、私は私を蔑み
またほんの少しだけ暗くなる、でも見てわからない ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=376225
自由詩
2023-03-18T11:53:52+09:00
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青空 桜なんか窓の向こうで舞って
つまみ食いをして怒られて
ウイスキーの空き瓶が窓辺でキラキラ
鮭を 箸で割って
骨が嫌だなーと思いつつ
テレビの音が大きいってお母さんが怒って
お父さんが文句良いながら少し下げる
メモリを
じっと見ていた
15本のメモリが11本になり
4本も減ってしまったと思った
減ったのはホントはもっとたくさん
増えないものが、新しく産まれないものが
もっとたくさんあったのに
たくあんを食べている
僕は、ホントはもっと
ホントはもっと? ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=376171
自由詩
2023-03-14T23:33:08+09:00
-
大切に ハンカチで包んだ
時間に刻まれて、
泣いていて かわいそうだった
音ではなく 文字でもなく
心臓に「ありがとう」をもらった
もらいすぎて溢れて、
勿体ないよ って笑ったら
わたしは体が崩れてしまった
だけど痛くなくて、怖くなくて
祝福だ! とすぐにわかった
崩れた体は、チーズのように
伸びたあと、そこでちぎれて
またちぎれて ポロポロ
いつの間にか 光の粒になって
見えなくなって
やり残したことはありませんか
と
何者かが
それを最後に、わたしは ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=375787
自由詩
2023-02-19T19:42:13+09:00
-
霜が溶けて濡れた土の匂いが、僕らの約束を祝福している。
赤い車は麓に捨ててきた。君をいつも助手席に乗せていた。
僕らは片時も離れ難かった。君の舌は冷たかった。恐らく僕の舌も。
膿んだ心の傷は、君の舌がつねに触れていないと熱くて痛くていられなかった。
額を拭う。汗は生きている証のようで嫌いだ。
朽ちかけの祠の中の地蔵は、細く目を開けている。その瞳の薄暗さに呑まれそうだ。でも僕は約束を果たさなければならないから、神や仏に打ちのめされてはならない。
君は僕に、生きて幸せになってねと言い、次の日には一緒に死んでと言い、
僕は血塗れになった君の指を丁寧に洗い、ひとつひとつに薬を塗ったが、その一方でこの細くて弱くて美しくて醜い指を食い千切って飲み込んでしまいたかった。
何一つ約束を果たさなかった僕も君も。騙し絵を描き続けた。
限りある風船を毎日針で割って、いつか墜ちる日を夢見てとろとろと眠っていたのに。
君の目が、最後に映した光!
肌は生命に他ならない輝きを放ち、唇は青空に触れて、吐息で愛が膨らんだ。
それは僕らにとって初めての約束。
初めてのときめき。初めての。最後の!
愛した人よ。僕は光さんざめく山道を歩いている。
霜が溶けて濡れた土の匂いが、僕らの約束を祝福している。
傷は瘡蓋になったよ。舐めるのが良くなかったんだ。
だけど痛みが無くて毎日肺いっぱい呼吸できることを罪だと感じてしまう、僕は、
不幸であることも幸せだったんだ、
今、約束を ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=375646
自由詩
2023-02-11T20:48:37+09:00
-
といったところか
いろいろな声で鳴くんやなぁ)
飯食いながら、
網戸に両手で張りつくそいつを見ていた
「このっ、かわいくない
一ヶ月も餌あげとるのにシャー言いよる
今ある餌終わったら二度と買ってこぉへん」
オカンがぶち切れながら部屋に入ってきた
ちょっと前まで、
おいでおいでチッチッチッ
なんて言いながら餌あげてたんになぁ
オカンは餌買ってこぉへんくなった
でも、
夕食のあと窓開けて
魚とか肉の骨をポイッとくれてやるんよな
鬱陶しくて腹が立って仕方ない
まるきり放り出すには忍びない
アタシのこともそうやったんやね ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=367328
自由詩
2021-10-24T18:48:46+09:00
-
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから
泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
その度にわたしのこめかみを撃ち抜くのだから
わたしは何度も死にました
何度も何度も死にました
だのに今、なぜ生きているのでしょう
お迎えが億劫だったからだと思います
ただそれだけだと思います
落ち葉。
いつか土に還るまで、
機嫌のいいときのわたしの表層をなぞり
空へ。
途絶えた飛行機雲が人生らしい ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=367097
自由詩
2021-10-08T22:56:53+09:00
-
空がありました
お金は無くとも学は無くとも
愛するものが無くとも
愛されることが無くとも
顔も髪も服もゲロまみれで目覚めて
一言
綺麗だなあ と
呟いたあの瞬間
空はわたしのものになりました
わたしは空のものになりました
わたしがじっと地面を見ていると
こら と
怒ってくれるんです
わたしも
曇ってばかりいたら怒ります ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=360352
自由詩
2020-11-11T13:20:57+09:00
-
わたしのわがままを
ぶつけあって割れたほうが謝る
いつの日か粉々になって
混ざりあえたらいいね
写真の中ではふたりが笑ってるから
涙が出てくる ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=360296
自由詩
2020-11-08T21:48:46+09:00
-
手折って、帰ってきて、グラスに飾って、香ってかなしい
ゴミ箱の中から、香ってかなしい
ゴミ出しをしていたら、金木犀が、香ってかなしい
手折って、帰ってきて、グラスに飾って、香って
えーーーーーん えんえんえんえん ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=359424
自由詩
2020-10-03T09:33:06+09:00
-
ギター弾いて歌ってると
空っぽになるなあ
あたしの身体にサウンドホールが空くんです
寂しかったら
ここに飛び込んでおいでよ
鮮烈な響きに身を震わして
泣けばいいよ
君のこと好きだから
君のために一曲つくろうかな
ふふ
あたし決めたことをやり遂げたこと無いの
でも君のこときっとずっと好きよ ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=358965
自由詩
2020-09-13T20:53:06+09:00
-
おかしいところを治す病院です
暗いスマホの画面に映ったわたしの顔その後ろの車窓その向こうの電線と青空が、とても綺麗で
6.4インチ、好きな分だけ好きな景色を切り分けたような気がしました
鳩が泳いでいます
わたしの瞳には鳩がかわいらしく映ります
明日わたしの瞳には鳩がどう映るのでしょうか
そういえば通院が終わりました
まだ「治すべきときじゃない」そうです
残念です
ところで初めて行った薬局の、クリームパンのようなお兄さん
第一印象……うーん「好き!!」
あーん、いい、夏ですね
こんな日には愛する人と川に飛びこみたいものです ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=357943
自由詩
2020-08-01T13:14:49+09:00
-
わたしは不幸な花なの
蜜を吸いに、不幸な蜂たちが集まってくるの
わたしはそれを友達と呼ぶし
向こうもわたしをそう呼ぶけど
蜂たちが幸せになったら
わたしの蜜なんて不味くて飲めないって
来なくなって、忘れてしまうわ
あのね、君
思いあがりだよ
君はそもそも花なんかじゃない
先生なんて、嫌い
まったく君は人になるために生まれてきたような人だなぁ
幸せと不幸がちょうど1:1になったとき
人は生まれるんだよ
君もそう、友達も、みんな君と同じ ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=357640
自由詩
2020-07-19T19:33:45+09:00
-
古いカメラのように瞬きをすると
紫陽花から滴る雨粒が
カリッ、と網膜に光の線を引く
6/2
すれ違う人の柔軟剤の香りにときめいて
振り返ると、彼女の背中に
斑点だらけの黒ずんだ心が透けているのに気づく
6/3
BOOK・OFFの100円コーナーに
恋人と読んだ絵本があった
ただの切り株になるまで
わたしのために尽くさないでね、って
思うのだけど
実や枝や幹くらい惜しくないなあ
6/4
小さい頃集めていたあれが
「石英」というただの石だと知ったのはいつだろう
怒ってばかりのお母さんが
そういう病気だと知ったのはいつだろう
6/5
赤ちゃんの見る青色は一番正しい青色なので
この、職場のユニフォームは
青色に見えていないのかもしれないなあ
だから泣くのかな
わたしも泣きたいよ
6/30
眠剤でとろとろになった身体は
一旦宇宙の仕組みに組み込まれて
その後、愛しい人の腕の中に返される
細胞膜が無いので一瞬でセックスができる
素敵な言葉がたくさん産まれてしまう
育てる親がいないのに
なんて無責任なこと
でも気持ちいいからもっともっと、って
わたしは今にも死にたくて
詩を書くからね
詩にするから許してね、って
あなたの瞳の暗いところは
わたしが昔閉じ込められた納屋に似ている ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=357329
自由詩
2020-07-01T22:21:17+09:00
-
あなたを愛するために卵を買った
砂糖が一匙分も無かった
もう買い足す元気が無かった
ソファに寝そべって映画を観ていた
開始10分で涙が出てきた
牛乳をマグカップに注いだ
目玉焼きを作って食べた ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=356497
自由詩
2020-05-17T14:59:42+09:00
-
スタバの新作フラペチーノのことを考えていた
チョコレート味の氷に
粉々のクッキーがまぶしてあって
ホイップクリームがたっぷり絞ってある
とても美味しそうだった
いつか飲みに行こうと思っていた
紆余曲折あって恋人ができた
「大切にしたい」と言ってくれるし
いっぱい頭を撫でてくれる
会えない日曜日、寂しさに蝕まれそうになった
そうだ、と閃いた
スタバの新作フラペチーノを飲みに行こう
自転車で向かった
冬のはじまりの風が手首まで染みた
スタバの新作フラペチーノ
夢中で飲み干してお腹を壊した ]]>
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=352470
自由詩
2019-12-08T14:12:29+09:00