2007 01/24 11:57
佐々宝砂
静岡県焼津の旧150号線大崩海岸にある、小さなカフェ。
私がまだ18歳で免許とりたてのころ、大崩海岸の曲がりくねった道をよく走った。
「かもめ」という看板のような看板でないようなものがふと目について寄った。
白い洋館に入ると、元アトリエだったんじゃないかなと思われる大きな窓が
海に向かって開いていて、なかは照明もないのに明るかった。
でも店の片隅は暗く、そこになんだか黒い彫刻があったので近寄ってみたら、
サルバドール・ダリと名前が書いてあった。
ダリの作品のホンモノを見たのは、このときがはじめて。
ウォーホルの絵も店内にあった。
ケーキセットを注文したら、バリ島のおみやげ品だというスプーンが添えられていた。
店の名前はもう「かもめ」ではないけれど、この店はまだ同じ場所にある。
今は、店内に美術品がある、というのではなく、現代美術館が併設されている。
晴れた日曜日になると、ふと行きたくなる。大崩海岸の崖のうえ。
あかるくて潮くさくて波と風の音。とにかく海。あかるい海。
最近のお気に入りはパンプキンケーキ。