雑談スレッド4[74]
03/19 16:35
佐々宝砂

>>73
「今のまま」ならまだましだろうと時々思います。都会はかつてよりましになりつつあると私は思います。少なくとも多摩川には、もう洗剤の泡は飛びません。私は田舎住まいです。下水道がなく行政もつくろうとしないので、我が家では金もないのに合併浄化槽をつくりました。私は川を汚したくない、「今のまま」で保ちたいからです。

我が家の近所では新駅ができました。それは便利でいいのですが、土手の草は刈り払われ竹藪は焼かれ、そこに住んでいた狐とキジはいなくなりました。それでも土手にはまだ葛がはびこり、たくさんの虫がきて、川ではボラが泳ぎ、川鵜やアオサギも見ることができます。

私達の区ではわざわざ川砂利を川底からすくいとります。川砂利がたまると文句を言う人がいるのです。川砂利はやがて浜にまで流れ三角州をつくるのに。どうして川砂利がたまるといけないのか私にはわかりませんが、景観を気にする人たちが川砂利をすくって捨てろというのです。そういうひとたちは、土手の葛を刈り取り、虫を殺し、赤裸になった土手に桜と外国産の花を植えます。景観はよくなります。でもそれでいいのですか。いいのでしょうか。

そろそろ筍の季節です。私はうちの竹藪(家の周りにあるわけではなくうちの土地にある)をなんとかしなくてはなりません。竹藪の手入れをする人がいないので、竹藪はどんどん広がります。しかたないから私は筍をとります。どうしようもなく大きくなった食べられないようなのもとります。とって乾かして焼きます。そうしないと竹藪はどんどん大きくなります。うち捨てられた茶畑を浸食し、やたらに広がってゆきます。私は竹藪の手入れを隠れてやっているわけではありません。しかし宣伝してやるのもんだかなあと思います。私よりもっと苦労してほうぼうの竹藪の手入れをしている人もいます。そういう地味で大事な作業を続ける人が、一方では、山に焼却灰をどかんと捨てていたりします。行政がゴミを集めにこない地域もあるのです。

たぶんモラルだけではだめだと思います。襟を正すだけでもだめです。必要なのは、まず想像力。そして知識と的確な対応と柔軟な姿勢。さらに、考えるのも面倒でいやだけれど、政治的なことにも耐えられる強さ。

私は私の住む田舎を、せめて「今のまま」にとどめたいのです。
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