雑談スレッド4[141]
03/30 17:39
佐々宝砂

自動回転扉の話ではないんだけど、自動ドアというと、いちどは倒産した某大手スーパーにレジ係として勤めていたころの出来事を思い出す。私は十九歳だった。混雑した日曜の夕方、レジのうしろ、スーパーの出入り口のところからこどもの泣き声がきこえた。びっくりしたレジ係(私を含む。みな十代)が3名、出入り口の自動ドアにすっとんでいくと、五歳くらいのこどもが足をドアにはさまれていた。血が流れていた。もしかしたら骨折くらいはしていたかもしれなかった。子どもの親らしき人はどこにも見あたらなかった。私たちはもちろんびっくりし、なんとかしなければいけないと思い、自動ドアのスイッチをとめてなんとかはさまっていた子どもを出した。私は子どもを抱えて従業員用の休憩室に運んで血を拭き、一人は救急車を呼び、もうひとりは店内放送で親を呼び出した。しばらくたって、救急車とほぼ同時に母親がやってきた。何か言おうとした私は、いきなり怒鳴られた。「うちのこどもになにするの!」というわけだ。私は一瞬ぽかんとした。そりゃ子どもを助けたからってお礼を言われる筋合いはなかったが、怒鳴られる筋合いもねえよなあと思った。母親と子どもはそのままどんどん救急車に乗っていってしまい、そのあと二度と店に来なかった。その後なんの連絡もなかった。私は親子の名前すら知らない。子どもがどの程度の怪我だったのか、きちんと治ったのか、それすら知らない。見舞いにすら行けなかった。

無論、店の責任は問われるべきだったろう。でもあの親はあんまりだよなあ、といまだに思う。
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