夢を見たら書き込むスレ[841]
2006 11/25 10:29
川村 透

付き添っていた母が聞いた最後の父の言葉は「ここは北海道の現場さ」だった。父の付き添いを母と交替した僕は、ベッドで仮眠をしていた。暖かい部屋なのに僕は雪山の夢を見ていた。軽トラックでうねうねとした雪道を登ってゆく、次第に道はアイスバーンになって、急なカーブを曲がったところで、もう道はなく、険しい雪の山となって行く手をはばむ。「これ以上行けないねぇ」、軽トラの隣に乗っていたのは、父だったのか。ここから先は、おまえが行け、とそう言いたかったのか?親父よ。ここから先はおれが行くよ。また背中をあばらを、拭いてやるからさ、とても深い深い雪だ。体温計をはさもうにも親父のわきの下は深く深く骨のカタチのままうつろで、エラーになっちまうよ。「いくたびも骨の深さを尋ねけり」
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