2006 04/17 14:03
佐野権太
結婚したばかりのイトコのユウくんが遊びに来た。
双子の男の子を2組連れていて、4人ともユウくんにそっくりだ。
ユウくんは、おもむろに、畳に足を投げ出す。
すかさず、膝とお腹に「上の双子」が乗り、そのまた膝に「下の双子」が乗っかった。
ユウくんが叫ぶ
「宇宙戦艦ヤマト、発進!」
確かに、双子たちの、積み上げられた体は、艦首や砲塔のようだ。
「パァーンパァカパン!パンパ、パッパパー♪」
ユウくんはそのまま後ろ向きでズリズリ畳の上を這い回りながら
野太い声を高らかに響かせる。
「さらば〜地球よ〜♪パパパパァ」
呆然とする僕を追って、ゆっくりと砲塔が回転する。
何だか鼻の奥がじーんとして、思わず敬礼していた。