夢を見たら書き込むスレ[175]
07/25 23:43
佐々宝砂

<断片1>
ひろくひらけた田園、南は海で北には低い山並み。青い空にシロチョウがいくつも飛んでいる。シロとは言うけれどややベージュがかった羽、チョウとは言うけれどそれが「蝶」なのか「鳥」なのか判然としない。よく見ると女の顔をしている。髪の毛にあたる部分は白に近いブロンドで、ショートカットにみえる。触覚は蛾のように太くふさふさして、淡い金色にみえる。羽は純白の手編みレースにかわっている。とても美しいと思えるはずなのだけれど、夢見ながら私は退屈している。

<断片2>
夢のなかの私は31歳で、日本軍に入隊したばかりだ。徴兵されたのか、志願したのかわからない。ラジオのニュースで「佐々宝砂が入隊した」と伝えている。なんでそんなことが報道されるかわからない。いやだなあいやだなあと思いながら私は背嚢に荷物を詰め込み、迷彩色のトラックに乗る。自転車がたくさん積まれている。銀輪部隊、という言葉を思い出す。いやだなあいやだなあととにかくそればかり思っている。

<断片3>
夫がばかに大柄な男になって、靴職人をやっている。私の足にあう靴を作りたいと言って、たくさん靴をもってきてくれる。緑の繊細な飾りに覆われたパンプス、右足は赤で左足は青のポップなズック靴、地味な茶色のローファー。どれも、私の足に合わない。パンプスは小さすぎるしローファーは大きすぎる。ズック靴は幅がぶかぶかだ。

<断片4>
道ばたに立っている。誰か知らない人に、あれ、と言われて空を見上げる。ベッドが夕方の空を飛んでいる。ああ、人が乗ってる、と思ったとたんその人影がベッドから転落する。私の家の屋根に落ちて、バウンドして、垣根でもういちどはずんで、庭におちた。私は大急ぎで駆け寄り「ハルコ!」と叫ぶ。ハルコは私の娘だ。そして、もう死んでしまったのだ。
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