2006 04/26 22:33
日和
1ヶ月前、心臓の検査の一環ということでカテーテル手術をすすめられ、2週間ほど入院した。
仮にも手術というのが怖かったのだが「この道ベテランの先生にしてもらうから!」と主治医が説得するので、承諾をした。
手術前日までは「手術の日は意識をボーッとさせるお薬を打つから、多少意識はあるけどちっとも怖くないよ。」と言われていた。
さらに同じ手術をした同室の方には「痛いのは最初だけよ。麻酔の注射だけだから。後は痛くないのよ。」とも言われていた。
ところが、手術当日になって何故か、意識をボーッとさせるお薬を使わないことにしたと言う。
その薬を使うと検査に支障が出るらしい。だったら最初から言うなよ!と本気で思ったけど仕方ないからあきらめて、手術室へ。
まずは看護婦から太ももに麻酔の注射を打たれた。しかしいつまでたっても麻酔が効いてこない。
当然痛いので「痛い痛い痛い…!」と言ったら、「えー。効いてない?麻酔?」と聞いたことのない男の先生の声。
‘きっとこの声の主がベテラン先生なんだろうなぁ’としみじみ思った。
すると、先生は今度はもっと太い針で麻酔注射をしてくれた。
しかし、やーっぱり麻酔が効かない…というかゆっくりしか麻酔が効いてこない様子。
まだ痛かったので「痛い…!」と言ったら、今度は「痛くない!痛くない!ぜーんぜん痛くないよぉー。」と言い聞かせられた。
でもやっぱり先生が何かするたびにズキズキ痛むので、私はずっと声をあげて泣いていた。
そして、ようやっと麻酔が効いてきたかな?というころに、「若い子は麻酔が効きにくいんだよー。」。
当時はその一言にムッときたのだけど、下半身の気持ち悪さの方が強かったので何も言わなかった。
そして、‘麻酔も効いてきたことだし、もう痛いことはないかな’とようやっと余裕がでてきて、
涙でうるんだ瞳でベテラン先生の顔を見ると、私はついにその日いちばんの衝撃を受けてしまった。
なんと、私の手術を担当している先生は私の主治医で、よく聞くと、ひたすら横にいるベテラン先生の指示を仰いでいるのである!
「この道ベテランの先生にしてもらう」って言ったじゃないか!と心の中で叫んだ。ていうか、アンタ指示仰いでんのかよ!と。
ベテラン先生にやってもらえてなかったことと、主治医がまだ医者になりたてだったことがショックで、意識が飛びそうになった。
ベテラン先生はその日、私と会話しつつ主治医に指示を飛ばすのが仕事だったのである。
主治医の手術服には私の血しぶきが飛んでいた。うわぁ。
手術は無事に終わったのだけれど、その後止血のための6時間の絶対安静(身体を少しも動かしてはだめ)、
さらには薬の副作用である頭痛と吐き気・めまい・動悸に襲われ、生まれて初めて「私死ぬかもしれない…」と本気で思った。
どちらかといえば手術中よりも手術後の方が、涙が出るほどキツかった。
もう二度とカテーテルはしない。すすめられても絶対しないと心に誓った。
あー。死ぬかと思った。sage