詩がかけない〜![120]
2006 08/10 14:57
佐々宝砂

書けない病がずーっと続いている。理由は複数ある、たいていの問題の原因は複雑怪奇だ。

単純なところから考えてみよう。うちは暑い、クソ暑い。エアコンがない。現在室温は30度なので、それでもいつもより涼しい。そうでなくてもアメリカのデスバレーよりは涼しい。暑いとやる気がなくなるが、エアコンを持ってないことは、地球のためにはいいことだ。なんかどんどん詩の話からそれてゆく。

私は闘病中か? 薬を複数処方してもらって服用しているのだから、病者であることは確かだ。アレルギーがいろいろある。私にとっての外食は、冷静に考えてみると常に危険と隣り合わせだ。まだ症状は出てないけどリウマチだ。不妊症で、その原因はチョコレート膿症だ。隔月で、寝込むほどの生理痛がくる。しかし私は私自身の病にうんざりしてはいない。まともに就職することは難しい。しかし、私の、特に身体の病気は、注意さえしていれば死に直結するものではない。私は病と闘っているのではなくて、つきあっているのだと思う。厄介な腐れ縁の悪友として。精神的な病に関しても、もしかしたら、私は、闘っちゃあいけないのではないかと思い始めている。闘えないという意味ではない。闘うべきではない、という意味だ。私は私自身という厄介なやつと一生つきあわねばならない。

私を邪魔してる物理的現象は、こんなもんかな。

次に社会的現象、というより環境か。これは物理的なやつよりはるかに厄介だ。まず、金がないのが困るのだが、それは私だけの問題じゃないので耐えよう。で。夫がいると書けない。書くなと言ったりするわけではなく、なんか突然話しかけてくるので、思考が長続きしないのよ。でもこうやって昼間に書けばいいわけなので、夫のせいにしてはいけない。あかんぼを抱えている人よりは書ける環境にあるとおもう。うちは田舎にあって、庭にはマムシもくるがオハグロトンボもくる。星だってよく見える。昔は本一冊買うにも苦労したが、今はネットで買えるし、図書館も充実してきた。感謝すべきだ。

私は、私の詩が私を救うなどと考えたことはない。たまにはなんかの役に立つかもね。くらいに思っている。誰かの暇つぶしになってくれたらいい。私の詩はその程度のものでいいのだし、そもそも詩なんかそんなもんでいいのだ。人の心を深刻に左右する詩が必要とされるような、そんな世界に、私は住みたくない。私にとって詩は重いものではない。かといって軽いものではない。詩は詩に過ぎない。テレビがテレビであるのと同じくらいに。

じゃあ何が問題で書けないか? 本当は知っている。前から何度もそのことを書き続けて、答も実はわかってる。それでも前と同じ堂々巡りの繰り返しなのではなく、少しずつ前進しているのだと思いたい。

答などないので書くしかないのだとわかっている。私は書きたいことを書けない。書きたいことを書く資格がないように思える。口をふさがれているように感じる。でも口をふさがれているのは私一人ではないし、書きたいことを書く資格がないように思える人も私一人ではない。

私は正直でありたい。嘘を言いたくない。いやなことに目をつぶりたくない。だが、私は時として、いやなことをいやと言えない。明らかに間違っていると思うことに対し、何も言えない。誤字、脱字、文法の間違いすら指摘できない。

私はねむるべきかもしれない。寝言はもしかしたら詩になるかもしれない。
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