06/11 23:49
北村 守通
大学のグリークラブ(男声合唱団)に所属していた時のお話
演奏会では大抵ソロの入った曲があり、そこでは大体合唱団の顔とも言える奴がその大役を果たす。
ステージで一人前に出て来て…演奏会が終わった後はそいつはヒーロー。その役はやはり皆の憧れ。
しかし、そんな表のソリストとは別に裏のソリストが存在する。ハモリにより発生する音階をあえて発声し、更なる音の美しさを目指すのだ。
決して目立ってはいけない。肉声とわかるような発声をしてはいけない。カウンターテナー、裏声使いの出番だ!
その役は決まって私のもとに舞い込んだ。そして団員達は私のことをこう呼んだ『裏技のマジシャン』と…(いや自称だったかな?)