何故あなたは詩を書くのか?[39]
2006 01/19 02:15
クリ

頭の中にあるコンプレックス(複合体という意味での)を他人に伝えようとする場合、私たちは「直結」されていませんので、
なんらかの「翻案」あるいは「ユニバーサル・ランゲージ」「暗黙の了解」が前提/最大公約数として必須なわけです。
つまり、どうしたって譲歩しなければならないわけです。
目の前で歌って聴かせるのではなく、CDで聴いてもらう、などの方法を採る、ということですね。
その方法として何を採用するか、という問題でしょ。
それを「文字」「言葉」で表現するというのは、精確なようでいて、とてもアンビバレントです。
だって、自分の思う「赤」と、他人の思う「赤」は、
同じであるはずがないのですから。

では何故詩人は言葉を選んだのか?
手っ取り早いから? 楽だから?
いいえ。逆だと思います。
言葉は、メディアとしてはホントは落第生なのです。
でも、詩人などのアーティストは、抑制された範囲で、どれだけ力が発揮できるか、を知りたくてたまらんのです。
というか、ある枷、限定された手段だけを利用して何かを達成したいという、マゾ的な(サド的なのかな?)欲望保持者なんだと考えます。
あえて不自由な媒体を選んだのが詩人さんだと思います。
「手っ取り早いから」と「詩」の形態を採用した人は、まだまだ先は長いです、きっと。
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