廃人がポツリとつぶやく部屋3[315]
2006 02/04 12:14
川村 透

また近所の国道で事故があった。人死にが出た。三台が次々とその人を轢いた。凄惨な現場だったようだ。加害者の一人は、知り合いの娘さん、のようだ。何もできないわけじゃない。これからの事故の可能性を少しでも減らすために僕にはできることがある。それが見えるよ。死ねない理由がまたひとつ降り積もる。敵、なんてほんとうはどこにもいない。どこにもいないけれど誰の胸の中にだって棲んでいる。熱狂は注意深く避けて、静謐にろうそくのように言葉を掲げて夜明けをこしらえてゆく。なにもかもがこんな風につながっているなんて、ガキの頃にはわからなかった。ほんとうに守る、ということは地味で泥臭く異形なのかもしれない。進むしかないか。
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