これは否定したい!2[728]
2006 09/17 23:05
「ま」の字

>727
もう消されてしまったようなのでこちらでちょっと。(私一応現役高校教員、地歴公民科です)

1 一番気にかかったのは、最初に教員にたてついたとされる生徒(欠席してるんですよね)。高校3年のそれも夏休み後で「勉強ワカラン」とキレるのは、相当追い詰められてる可能性もある。たとえ原因を作ったのが自分であるとしても、余力がない状態で追い詰められるのは、それ自体非常にマズイ。個人的経験則ですが、高校3年になって長期欠席とかナントカになると、非常にやっかいな場合が多い。「いまさら」なことが本人にも分かっているだけに本人がホントに絶望的になる。
 まあ、逆切れするエネルギーがあるのがこの場合まだいいとは思いますが。

2 この先生は熱心ないい先生らしいですけれど、銀狼さんが書いておられるように、ちょっと真面目すぎて息苦しいのかもしれませんね。受験直前の今の時期に、受験にいらない科目をやることについて「そりゃ生徒はヤだろうな」という想像を持つことは、教員にとって必要だと思います(というよりこの手の想像力は教員の重要な資質)。無論、だから「やらなくていいよ」と直(ちょく)にはならないのですが、このように想像する事によって何か手を編み出せるかもしれないですから。「たてついた」生徒も、ほんとのところはこの先生の堅苦しさ(生徒から見れば思いやりのなさ)が問題だったのではないかな。と思いました。
 答えの丸写しも、3年生のこの時点でその教科が苦手な生徒なら、やりようによって一つの勉強法となりうる(最善は教師が付きっ切りになることだがそれがなかなか出来ない以上)、位の「ユルさ」も教師側にあっていい。
 ただ二転三転するようだけれど、教師が「まあ、丸写しもいいさ」と許容するのは、生徒を過度に追い詰めないで逃げ道作ってやるという意図のほかに、たいていは摩擦回避の事なかれという側面も同時に持つので、このように先生に怒られるのも、その生徒が見放されていない証ではあるのです。

3 銀狼さんの立場について。ざっと読んだだけでなんともいえない部分があるのですが、銀狼さんの主張内容そのものよりも、銀狼さんの「語気」の問題だったのかもしれません。語気が強すぎて周囲に「こいつ俺たちを見下しているのか?」と思わせてしまったのかもしれません。また、教師側にもキレた生徒側にも立たないように受け取れる意見ですので、「なに問題を複雑化させてんだよ」と思われたのかもしれません。
 個人的には銀狼さんの主張は、書かれている限りではマットウだと思いました。ただちょっと語気が強いのと、教員への異議申し立てはある意味当然ではある(礼儀を守った言い方であれば)、とは思いましたが。
 仲のいい友達がクラス内にいるのなら、あとで「俺、間違った事言ったのかなあ」とか「俺の意見、どんな風に聞こえてたのかな」とそっと聞いてみるのもいいかもしれません。結果として孤立する事は仕方がないのかもしれませんが、自分がどんな風だったか反省する点も見つけられるかもしれません。

4 いずれにしても銀狼さんとそのクラスは、いい経験をされたと思います。結論見え見えの「道徳教育」や、抽象理解に陥りがちな「民主主義教育」よりもずっと有意義な経験(教育)です。各人の利害の対立・共通項の探索・決まりやしきたりとの折り合い・話合いの難しさなど、皆さん感じたのではないでしょうか。ガッコウではピンチ(問題が起こったとき)がチャンス(本当の教育の)です。ただし対処を誤ると単なる失敗になって、事態は一層悪化するのも事実ですので、対処する教員は身の震える思いですけどね。

 実際に見たわけでない事件ですし、銀狼さんの文章も1回しか読めてないのでずいぶんハズレな事も書いてるとは思うのですが、こんな文章でも、「こんな見方もあるのか」と視点整理の一助になれば、多少銀狼さんの心が休まる事もあると思い、書きました
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