詩とメンヘル[233]
2006 10/14 15:31
山内緋呂子

友人に、新薬ジェイゾロフトを頂いた。ほんとは、そんなことしちゃいけないんだけど、医師の処方箋なしに他人の薬飲んじゃいけないんだけど。働き始めてから、時間の都合で病院へ行けなくなり、常用のパキシルも手持ちになかったので、頂いて飲んでみた。

大げさだが、まるで病気になる前の自分に戻った気がした。気がしただけかもしれないが。もう自然に眠る方法はすっかり忘れ、睡眠薬(ロヒプノル、ハルシオン)に頼らないと眠れなかったのに、心地よい疲れとともに、睡眠薬なしで眠れた。
五感の鋭さが消え、穏やかだった。持て余して今にも、他人に危害を与えたくなる衝動、自分でコントロールできない激情。それを押し殺すことの苦しさ。何年ぶりだろう。こんな状態は。人格の形成途中の、あの感じ。発症する前の、社会人としての、自分。
副作用として言われているのは、頭痛、下痢、食欲不振、などがあるらしいが、数日でなくなった。パキシルよりずっと自分に合っている気がする。
ただ、新薬のため、処方してくれる病院が少ない。現在通っている医院は取り扱わないそうなので、病院を変えなくてはならない。
自立支援保護法ができてから、病院や薬局一つ変えるのにも、保健所で手続きが必要なので、面倒だ。大体、メンタルなんて、薬と、医者の相性がとても大事だから、病院を簡単に変えることができなくなったのは、全然障害者支援ではないと思う。

でも、薬の効果だけで病気は治らない。持って生まれた、または、環境によってつくられた自分の「性格」というのまで治そうとするのは薬の力にはよらない。あくまで、社会生活を送れる状態にまで、薬が手助けしてくれて、以降、自分の力による。働き始めて一ヶ月。なんとか続いている。あくまで、自分の性格は、自分でしか変えられない。まず、今の仕事に何が大事かって、継続すること。苦手で、吐き気のする電車通勤に慣れること。
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