恋文[673]
2014 05/27 14:49
織部桐二郎
噫、倦んじたり、春風いたづらに無常の笛を吹く。恨まん哉櫻花に老ゆ牧人の子。提琴の絃いつしか截れはて想ひの鐘に夢魂あくがりて山嶺に消ゆ。個人の詠ずるにむかしはものをおもはざりけりと。西人の歎ずるにふる年の雪やいづくと。あなや、かくも戀しきわが君。いらへたまへよかし。吾死するべけんや。君なき世にいのちありとて甲斐なけれ。今宵瀬見の端にて...。
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