マンガすれ[198]
2005 11/10 07:58
田代深子

>「はみだしっ子」というマンガ自体かなり引用が多い
そうそう
たとえば「花が咲くよ、死体を食ってね」はもちろん梶井基次郎から(作者自身が言ってる)
ハイネの詩も使ってたよね
「この大嘘つきめが!天国には行けねぇぞ」「そんなもの天使とスズメにくれてやる!」とか
「カッコーの鳴く森」は映画「カッコーの巣の上で」から発想したんだろうし
わたしはわからないけど洋楽の歌詞とかはずいぶん意識してるんじゃないですかね
ヴォネガット『ローズウォーターさん』とか かの『夜と霧』なんて
わたしは「はみだしっ子」に出てきたから読んだんですけどね(笑)
でも三原順の場合はおおかた元ネタがあるってことをわかるようにしていたし
意識的引用だったわけですよね

何かの作品が発想の基になっていたり 言葉の断片が似通ってしまっていたり
そういうのは「あらゆる作品は過去の引用」の類なんだと思う
「これって絶対あれの真似してるよ」みたいな揶揄を受けるのはしかたないとしても
剽窃とか盗用とかいうのとは違っている
完全にオリジナルなものなんてない という考え方もできるんだしね

だけど金銭からんで(それで稼いでて)あまりにも似ていたり 頻度が多すぎたり
引用元を明示しなかったり ってのが著作権問題に発展するのは当然だーな
それで元ネタの作者に訴えられたら裁判になっちゃうわけだ しかし裁判にしたって
どこまでが剽窃・盗用かは大体ケースバイケースだし
両者の意志疎通とか 出版社の対処とか 賠償金の額とかでケリをつけるしかない
最近まんが家でもネットで剽窃の事例をあげつらわれて謝っちゃった人いたよね
飛鳥部勝則もネットで検証を公開されたんだし 現代では作者達が知らなくても
「無名の読者」が黙っていない(まー気分いいやりかたではないけどさ…)
だからさ 物書きで金稼いでるんだったら 絶対に気をつけなくちゃいかんということ
真似をするなら堂々と それがプロ作家としての責任とプライドだと思うんだが

アマチュアなら「無意識にやってしまった」なら 揶揄や抗議されるだけですむ
あとは自作品に対するそれぞれの責任感とかプライドの問題なわけでしょう
(あんまり非道い真似の仕方ならアマチュアにも名誉毀損とかはありそうだけど
 でもそれって意識的に引用した上で貶めるタイプだよね)
「佐々宝砂のあれは○○○の剽窃だ」と言われて自分が傷つくとか腹立つとかさ
元の作家に申し訳ないとか 恥ずかしいと感じてしまうとかさ
それも場合によって度合いは違ってくるんだろうしね
そもそも見も知らない作品と似てるなんて言われる可能性だってあるんだから
あんまり気にしていては何も書けなくなっちまうな
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