2026 02/26 12:51
室町 礼
荒貝新さん、
なるほど、正直言うと、ぱっとみた感覚で
いったので作者には失礼したかもしれません。
では真面目に。
①ぼくたちは保存することに憑かれている
②ポリエチレンの半透明な棺には
③昨日愛したはずの有機物が
④色を失って横たわる
①の「ぼくたち」ってだれでしょう?
この「ぼくたち」という言明は非常に不愉快です。
なぜならわたしは書き手の話を聴きたいのです。
一概に「ぼくたち」という、背景の曖昧な、主体のぼんやり
とした「主語の押し付け」に与されたくはないのです。
わたしは「保存することに」「憑かれて」なんか
いません。他人がそう主観的に妄想するのはかって
です。しかし「ぼくたちは」という言明が詩の頭にくると、
このわたしはそこに強制的にとりこまれてしまうことを要請
されている気がします。
これを「わたしたちは~」「~強く望んでいます」
と詩人会の声明と同じパターン、テンプレートの、いわゆる
制度的な想像力を押し付けていることばと受け取るのです。
②「ポリエチレンの半透明な棺には」、これは①と同じ構造です。
どうしてポリエチレンが棺であるのか、そこには必然となる
キーは示されず、とにかく文明の愚かな発達の結果できた
ポリエチレンは悪だという思い込みが=棺という比喩を読み手
に強制してくるのです。そしてこれがわからないお前は
俗物だから読む必要なしとして、詩の世界から弾かれる、
そういう構造になっています。
③昨日愛したはずの有機物が
④色を失って横たわる
このニ行は①②という説明の延長線上にある説明の帰結と
しての説明であって、詩でもなんでもありません。
⑤おそらくぼくも
⑥誰かの巨大な冷蔵庫の中で
⑦ラップに包まれたまま
⑧出番を待つ肉塊なのだろう
⑤の「おそらく」も「ぼくたち」と同じ曖昧性をもち明確な批評
態度を忌避して深く探ることをやめて「おろらく」で逃げています。
これはもうこういう連中のワンパタフレーズなのです。
⑥は⑤に同じ。
⑦ラップに包まれたまま
⑧出番を待つ肉塊なのだろう
雰囲気を語るだけで実は何もいってないのです。つまりこれは
雰囲気詩です。なんの雰囲気詩かといえば、制度的な想像力の
検品詩なわけです。
わたしは無学で頭も悪いから、詩を論理や技巧で評価していま
せん。貧乏人の唯一の価値判断基準、倫理で評価しています。
そういう観点からみるとこの詩は
読者を勝手に共同体に組み込む
a比喩を押し付ける
b説明で世界を閉じる
c主体の責任を曖昧にする
d既製の環境批判に寄りかかる
つまり、
詩が読者の自由を奪い、世界を単線化していることに不快を
覚える作品でしかないのです。
以上
荒貝新さんに理解できればいいのですが。笑