イベント雑談スレッド[108]
2009 01/13 02:38
rabbitfighter

日曜日に渋谷のクロコダイルで行われた「俊読」に行ってきました。

谷川俊太郎の詩と自作の詩を、本人の目の前で好き勝手に朗読しちゃう、そして最後には谷川さん本人が朗読してくれると言う、贅沢なイベントです。フォーラムの会員の中からも(自分の知っている限りでは)守山ダダマさん、イシダユーリさん、吉田群青さんの三人が出演者として舞台に立ちました。100席ぐらいの会場が埋まり、さらに立ち見が出ると言う盛況っぷり。

見てきた感想をちょっとだけ。

ひたすら彼を賞賛し、神格化しようとする行為の気持ち悪さが目に付いた。主催者の桑原さんに顕著だったと思う。個々のパフォーマンスの上でも、そういったスタンスによって大きく差が出た気がする。出演者全員が、長い準備期間をつかってパフォーマンスの質を最高のものにしたのは間違いないし、別々の場面で見れば手が痛くなるくらいの拍手を何度も送っていただろう。でもその中でジュテーム北村さんとイシダユーリさんが他を圧倒した。最後に出てきた谷川俊太郎自身にも負けていなかった。それは多分、二人の立ち位置のせいなんだと思う。
だけど二人が同じ立ち位置にいるわけじゃない。
イシダユーリさんは、本当に正面から立ち向かったのだと思う。谷川さん自身が、言葉と言葉もセックス(性交って言ったんだっけ?)するんだなと感想でいったように、彼女は詩の言葉と二人きりで向き合って感じあったんだと思う。ちょっとした変態だ。
ジュテーム北村さんは、彼自身が崇拝されて賞賛を浴びる立場にいる人で、僕の中では彼ら二人が同じ目線で物を見ているのかもしれないと感じることがある。そしてジュテーム北村さんは本当に丁寧に詩を読む人で、んー、これ以上はうまく言えないです。名前は変だよね。ジュテームって…

谷川俊太郎さんの軽やかさについて。詩なんて、ただ読めばいいんだよといった通りに、そこに集まった信者たちを尻目に、拍子抜けするくらいに普通に読んでいた。一切のパフォーマンス性を捨てて、軽々と読んでいた。カリスマ性のかけらも感じられなかった。だけど、勝ち負けとか優劣とかは関係なく、この日語られた言葉は全てこの人の頭の中から出てきたんだなと、あらためてそう思う。谷川さんはまだ勃起するのかどうか本人に聞けなかったのが残念。

とにかく良いイベントでした。またいつかやるらしいので(谷川さん曰く、「俺が死んでなかったら」)その機会には皆さんも是非。

                文責 RABBITFIGHTER
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