しりとりの詩 3 [28]
2016 09/01 14:20
高林 光

夜の明かりに
きえていくテールライト
煙草の火種

遠くの空から聞こえる
音だけの花火
南天には
十日夜の月
照らされた
ひとすじの薄雲

心だけが静かな夜には
子供達の笑いあう声が窓から漏れる
家の扉をもう一度
開くのがためらわれて

誰にも気づかれないように
衝動が身体を満たし
バラバラになりそうだから
花火は寂しいと言ったあなたに
あざができるほどの力で
しっかりと抱きしめてもらいたいのです
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