【petit企画の館】/蝶としゃぼん玉[61]
2016 08/05 20:34
るるりら

>>31stさんの
夜のパリ  プレヴェール(小笠原豊樹訳)の前のSCENEいいなあと思いました。
原文では"残りのくらやみ"とはならずl'obscurité toute
即ち、"完全なくらやみ"となるというお話が なんだか沁みました。
この作品の前後を書くなんて、元の作品が素晴らしすぎで ギブアップとおもっていたけれど、
へたでもいいから書いてみます。



"完全な闇"

心の溝を覗くとき
淵に足をすくわれそうな思いにかられるとき
わたしには あのときのマッチ箱がある

町はあのころとちがって賑わっている
ティファニーの宝石のようなともしびが 
凱旋門に つななっている

こんなに明るくとも
わたしの心には完全な闇がある
ダイヤモンドは暗がりでも輝くのだろう
でも わたしには完全な闇こそが 輝くのだ
ポケットに あのときのマッチ箱があるかぎり
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