○現代詩フォーラム短歌部○[431]
2006 02/05 16:58
汐見ハル

カオリブレンダーさんにならって、私も一首ずつ(「づつ」に非ず)セレクトいたします。


カオリブレンダーさん→「珈琲の苦さも世界のおしまいも卵と共に在る温かさ」上句の厳しさに対してうつくしくあたかかく返した点に感服です。
ふるるさん→「爪を噛み 吐き出してみた そのかたち 膝を抱えてちょこん圏外」ちょこん圏外、にやられました。
クロエさん→「鱗粉を撒く蝶々を姉が追いシャボンに映るさかさの世界」オノマトペに弱い私。
簑田伶子さん→「隅のほうまで 日夜 赤虫 神様はただの死人だもの」こわい位力をもった下句。
芙卯さん→「圏外のサービスエリア出る頃にトラックたちのネオンも霞む」映像的で好きな一首。
関根悠介さん→「追いかけた音符につまづく舌のこと下の子と耽(ふ)ける和声は乱れ」きゃーvどきどきです。
一代 歩さん→「珈琲の苦さも世界のおしまいもしろいミルクで曖昧にして」ひらがな表記がツボです。これはいい歌だなあ。
ピッピさん→「圏外のサービスエリア出る頃に消える夕暮ハザード・ランプ」うん綺麗。
easyさん→「死してなほ国歌と定めし売女を水銀灯が包む路地裏」ここは水銀灯しかないような気がする。
一日ミチルさん→「珈琲の苦さも世界のおしまいも 一緒くたにしたような君の体温」珈琲には皮膚感覚が似合うんだなあ。
守り手さん→「圏外のサービスエリア出る頃に紙飛行機よはぐれ燃えたり」これは凄い!
山田せばすちゃんさん→「爪を噛み吐き出してみたそのかたち!
                 (二月十日の月に似ている)」 二月が効いているのはこれかなと。


「珈琲の苦さも世界のおしまいも」に秀歌が多いように思いました。イメージをつなげやすいのかな。
「圏外の」は映像が喚起されやすかったみたいですね。
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