○現代詩フォーラム短歌部○[365]
2005 11/27 04:16
嶋中すず

短歌部そして参加者の皆さん、遅れましたが短歌祭お疲れ様でした。
短歌のことは全然分からないので感想などは書けませんし、おまけに部外者ですが好きだなあ、と思った短歌をあげてみたいと思います。^^


本木はじめさん
素粒子の意味を調べる少年の背中合わせの少女の寝
宇宙葬、望む青年椅子の上いつしか少女と出会える日まで
銀河より離れてしまった甥っ子の墓標に酒をまきかける叔父

こもんさん
素粒子が観測された日のことだきみから借りたノートにうずまき
あすとらるあすとろのーつ宇宙からきみがお酒を持ち帰るとき

クロエさん
駆け抜ける夜汽車の窓に指あてて星と星とをつないでみせて

ルナクさん
星の子よ降りては来ぬかこの庭にちょうど今ならこすもすが咲く
千の血と千の涙をつなぎ継ぎようやく隣の銀河へと着く

一日ミチルさん
椅子の上乗れば星をも掴めると子供が飛んでく(大人になりたい?)
酒を飲み発熱しているわたしたち高速で大気圏抜けてるみたい

カオリブレンダーさん
あの頃は 屋上登って 花火上げ 特等席だと 星もつかめた
土星の輪 娘に欲しいと 頼まれし サンタクロースは 減給覚悟
望遠鏡 発明しても 覗き趣味 の慣性続く ガリレオガリレイ

lyrica.さん
幾千の星ひとつずつ消えゆくをともに見ようか願いなどせず

守り手さん
リモコンで滅亡さすひと寄っといで放課後みんなで宇宙戦争

はなさん
遠い日にあなたが笑い、乗りし椅子座せばぐらつくあしも変わらず
寒い夜に星が凍って「こおりぼし」口を開いてあなたの分も
満天の星をはらんで東京のつめたき窓に素粒子の降る
あのね手をつないだときに気づいたの心臓の音、千の

ピッピさん
生きているひとが土星の輪の中で踊るぼくらの20世紀忌

嘉野千尋さん
リモコンで冬の夜空を夏にするそしたら君に会えただろうか

容子さん
傷物のわたしを眺める椅子に居る置いてけぼりの昨日のわたし

汐見ハルさん
ひとは死んで星になるなら死んだひとにわたし死んでも触れ合えないね
椅子を抱き身体ねじって目をとじてニスの剥げ目にくちびる寄せる
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