○現代詩フォーラム短歌部○[264]
2005 09/13 01:12
山田せばすちゃん

投稿お疲れ様でした。
参加者8人、歌16首です。
それでは発表します。



夏が過ぎやり残したもの片付ける嘘花火した白昼の公園

東京の高層ビルの屋上で智恵子の嘘を見上げて笑う

風を焦がす嘘の匂いに守られて夕焼けの国めざす自転車

この先の 嘘をぴったりはめたなら
曲がる度 花を見よ見よ 後悔するな

欲望は嘘をつかない臆病な少年少女よこの世を逃げよ

水面に花びらちらすあやうさに似ているきみの嘘の混ぜ方

胸に埋まるつめたい鉛の感触がなじんでゆくたび湿度増す嘘

好きな子が可愛いうそでついた餅 焦がしてばかりでじっと見ている

夏が過ぎやり残したもの片付ける嘘花火した白昼の公園

君にだけ見破られたい嘘がある「夕べ女に刺されかけました」

罪を犯す 人は皆罪を犯す
死ぬことで
善行もまた然り
嘘など 花よ

コンビニで買える嘘でもあの娘なら泣かせられると知ってしまった

それはたぶん嘘ではなくて私への優しさなのよとだまされてゐる

きみのつく嘘を嚥下す真夜中に睡眠薬を飲むようにして

眼帯をしていなければ眼帯が欲しくなる嘘ばかりの世界

「ウソフラボン:初恋に効く成分よ」真顔でかたるキミが正直
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