○現代詩フォーラム短歌部○[192]
2005 04/19 14:04
本木はじめ

気の付かないほどの悲しみ、、、本木です。


ど〜れ〜


はいいろの少女は少女の十本の指ですくえる都会で生きる


まづ、『はいいろ』がひらがなであることが気になりました。
灰色、だと重たい印象を与えるからでしょうか。
そこでふと、ピッピさんの歌は比較的にひらがなの使用量が多いなと思いました。
なんだかピッピさんの歌はやわらかい印象があります。
この歌もそのひとつでしょうか。
次に、この『はいいろ』がどこに掛かるのかを考えてみましたが、
この『はいいろ』は掛かりませんね。『はいいろ』=灰色が元々持つ、少し影のある、曖昧な、まだ明確でない
とゆう暗喩(?)の為に選ばれた言葉なのでしょう。
そしてその少女は、自分の十本の指で掬えるだけの都会(つまり、行動範囲。手の届く範疇。)でだけ生きる。
または、十本の指で掬った都会が少女の都会である。と、一読した時の印象です。
が、やっぱり色々孕んでますねw『少女は少女の』のところで、二人の少女がいるような錯覚、『すくえる』で、掬う、巣食う、救う。
この二点の読み方、感じ取り方によって、多種多様なイメージが膨らみます。無意識に5・7・5・7・7の音で区切って読んでしまう
僕はイメージの誘爆に陥ってしまいました。様々な世界観を内包していて、幾通りもの読み方ができる素敵な歌だと思います。
まさに、短歌ならではな歌。


#あと短歌祭、引き続き『お題』募集中です!!
スレッドへ