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2007 03/17 10:08
たもつ

「母の詩集」池下和彦 著

http://www.amazon.co.jp/%E6%AF%8D%E3%81%AE%E8%A9%A9%E9%9B%86-%E6%B1%A0%E4%B8%8B-%E5%92%8C%E5%BD%A6/dp/4887470657/ref=sr_1_3/250-6280774-2565015?ie=UTF8&s=books&qid=1174092382&sr=8-3

とある機会に、みつべえさんに紹介してしていただきました。
その時は私家版だから流通してないということで池下さんの住所も紹介して
いただいたのですが、さすがにいきなりお手紙を出すのもはばかられ、その
ままにしてありましたが、昨年、童話屋より出版され、本屋等でも手に入る
ようになりました。

平成三年からお母さんの認知症が発病し平成九年に亡くなるまでの、家族で
過ごした日々や、想いを詩に綴ってます。

なんていうんだろう、物すごく乾いたところがあって、それは詩人(と一言
で括ってよいのかわからないけれど)の視線、視点があって、深刻な状況を
自分のフィルターを通して、どうやって咀嚼していくのか、という葛藤の経
過であるようにも感じます。
だから、先ほど乾いたところがある、と述べましたが、逆に人間的な温もり
や悩みや迷いが生々しく伝ってきます。
この詩集を抱きしめて泣いてしまった。

母は地面をふく
さきほどまで廊下をふいていた
そのぞうきんを差し出し
こんなによごれていると言う
ふいてもふいても
きれいにならないと言って
なお
ふきつづける
母は大地と
じかに話しはじめたらしい

(『地面』より引用)
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