2005 01/07 03:27
渡邉建志
旧ソ連ブーム(?)に便乗して「惑星ソラリス」レビューを投稿しました。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=27931
今日「2001年宇宙の旅」を観た。僕はやっぱり「惑星ソラリス」の方が好きだ。
両者に共通しているのは、既製の音楽を使っている点、そしてその使い方が圧倒的に凄いこと。「ツァラトストラかく語りき」の使い方が特に凄い。あとは有名な「美しく青きドナウ」のシーンも。リゲティのビデオクリップみたいだ、という人もいる(
http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/talk/ligeti/2001.htm)。それぐらい、音楽と映像が一致している例はなかなかない。そして「ソラリス」におけるバッハも凄い。映画のテーマ(記憶、罪)が音楽に覆いかぶさる。流れるシーンもここぞというシーンだ。
「2001年」では、どうやってこのシーン撮ったんだろう、と思わせるようなテクニカルなおもしろさがたくさんあってわくわくした。ぐるぐると一回転ジョギングするところとか。こういう無重力みたいなもののおもしろさ。この辺の「宇宙の描写」において「2001年」はとても意欲的だ。宇宙の中を宇宙船が浮かんでいる絵、飛んでいく絵がたくさんある。SFXなんてない時代。僕はむしろSFXなんてないほうがいいと思う。どうやって撮ったんだろうとおもうし、第一、ほんもの(非CGという意味で)にしかない生々しさがある。ゴジラを撮るときには着ぐるみでなければならないのだ。
「ソラリス」では、宇宙の描写のシーンが圧倒的に減る。地球からソラリスへ移動する数分のシーンだけである。(それも結構しょぼい感じでいけてる。)よっぽどタルコフスキーはSFを作りたくなかったのだろう。