2011 03/26 12:40
……とある蛙
論戦スレでは盗作問題がいろいろ議論されているようですが、それぞれの作品の狙いとか内容とかあまり興味のないものなので、論戦などどうでも良いのですが、盗作か否かの道筋だけ大雑把に書きます(これも絶対ではないですが、それほど単純ではないとは思っています)。
◎第三者が判断するって言っても、専門家でもないし適当な気分の判断しかできないと思います。
引用の適法要件である著作権法32条48条を充たしているとは到底考えられず、引用は問題となりません。且つ日本の著作権法にはパロディ条項やフェアユース条項もないのでもっぱら著作物の盗用と言えるかだけを問題とします。
著作物とは同法第2条1項1号に記載されている定義付けが法的には一般的です。つまり、思想感情を表現したもの。また創作性がなければ著作物とは言えない。
この創作性がくせ者で、独創性まで要求されていない。ありふれた表現であっても著者の個性が反映されているものと考えられるものは創作性があると考えられます。
つまり、ありふれた単語の使用であっても組み合わせ如何によっては、当該表現の目的、個性が窺われ、その表現には創作性がありと判断される可能性があります。
原著作物の表現の目的あるいは著作者の個性、感情を理解した上で、問題となっているテキストがどう読めるかで初めて盗作か否かの判断が可能です。
ただし、著作権法は思想感情自体を保護の対象としていないことに留意すべきです。
同法27条で翻訳権や翻案権※1などが著作権者にあることを考えれば容易に導かれる結論です。つまり、表現方法が異なっていても明らかに原著作物を下敷きにした表現でほぼ同一の思想感情の表現であれば盗作の畏れは多分にあります。
※1翻案とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維 持しつつ、具体的な表現形式を変更して新たな著作物を創作する行為であると解され ている[1]。翻案の例としては、小説を映画化やゲーム化する行為、一話完結形式の 漫画の連載において同一のキャラクターを用いて新たな続編を創作する行為[2]など が挙げられる。翻案権は独占排他権であるから、翻案権者に無断で著作物を翻案する 行為は、原則として翻案権の侵害となる。つまり、2次創作と称するもののほとんど が日本の著作権法では違法と言うことなのですが、事実上黙殺されているケースが多 いので何とかなっています。ディズニーなんぞ大騒ぎしますよ(笑)。
[1] 最高裁判所 2001年(平成13年)6月28日 第一小法廷判決。判決情報判決全文(P DF)
[2] 最高裁判所第一小法廷判決 1997年(平成9年)7月17日 民集51巻6号2714頁。判 決情報、判決全文(PDF)
翻案権などは著作から派生した権利で財産権的側面の強い権利と考えられています。
私など読解力がないので何とも判断のしようがありませんから(あまり興味のない内容の歌詞ですし)、どなたかの解説を待ちます。