RT会議室突発連詩ログ保管庫[69]
2005 07/10 18:41


かぜきり・岡部淳太郎 ・終(敬称略)<7/10(日)18時頃完成>

「雨の宛先」

気がついたら 空のバケツを持って窓の脇に佇んでいた

窓に映る樹木の影 空に映る鳥の影

さらに重なる雲の色と 音量増しゆく打撃音

かすかな鳴き声だけを頼りに黒々とした森を眺める

寂れた胸の内を叩くものはいったい何か

警報にも似たその感触は 訴えもせずに鎮座している

鼓動はカウントを速め 抜けた暗闇の底を睨む

すべての穴や部屋の中や それら虚ろな空間を埋めるものは何もない

バケツの中を満たしているのは それなのだろうか

手の平 掬いあげる触 砕かれたスワロフスキー

雨を飲みこむ大いなる空虚 そこに映る自らの影

落ちる粒一つ一つに 異なる個となる自分のかけらを映して
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