RT会議室突発連詩ログ保管庫[63]
2005 06/25 04:34
ヤギ

六月二十三日夜明け前
一分連詩

・持ち時間は一分
・素敵さ<早さ
・話の筋<勢い

後半は時間の定義が変わる(一分と思えば一分だ)
ヤギ→フユナの順で一行ずつ

「one minute rain」


夜空を蹴った低い雨
カバは、その大口を開けていた
金色蜜にも負けない味に
とりとめのなさがスパークしている
もう間に合わない私を追い抜き
水溜まりからサヤエンドウの蔓

ぐんぐん伸びて朝日を待つのは
雨に応えた甘い動物
アアア、おひさま気持ちいいよ
ずっとでいいから照ってておくれよ
そういう拍子に息照らされて
私はカバに、この手を伸ばす
かばさんかばさん、優しさひとつ分けておくれ
蜜より苦く、泥より甘い
私の優しさ欲しければ、お前は失う過去と再会
蔓に絡まり登ってゆけば
雲の湖広がって
優しい世界があるだろう

登ると決めると一気に届いて
私は夜空を蹴ってしまった
ああ早く早く 朝日が紅を失う前に
あのカバの優しさに追いつかないといけない
両手に触れるのは死んだ魚とオガクズばかりで
再生はもう太陽に飲み込まれている
雨の速度で落下しながら怖くて自然と泣いていて
優しさはそんなにいらなかったんだとおもう
地平線に囲まれてカバに向かってそう呟くと
両手一杯のシャケとすべらかな木肌
涙の跡をお土産に
カバは、その大口をむりやり閉じた。

#凄く楽しかったです。勢い優先って楽しいですよ。お暇な方是非やりましょう。
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