2005 05/08 22:25
ヤギ
五月八日母の日の夜に
一行ずつ四巡
丘、ベンジャミン、ヤギの順
「水中花」
アネモネのやさしく散りゆくような後姿をいま思い出す
歳をとるほどに小さくなってゆくその背中を
見つめるほどに水のような後味
ああわたしがまだあなたの手に繋がれていた頃
その少し汗ばんだ手のひらにに浮かんでいたのは
世界の全てか 太陽の影
この暗く遠い海の底で失われた時を捜し求めて
苦労という文字を深く刻み込んだあなたを見つめるとき
呼吸も光合成も行えず
ただ生きることのどうしようもなさで疲れたわたしの向こうに
あのアネモネがまだ咲いていることを願って
もう一度あなたと手をつなぐ