2006 11/25 03:54
とうどうせいら
ゆきぞう→狠志→見崎 光→藤田揺転→とうどうせいら(最後だけとうどう2行)
の順で1行ずつ3順
街灯の明かりをかすめる吹雪を見ていた
悴む手は、手袋をしないまま
そっと吹きかける吐息の温もりだけが染みる
闇。白々が降り、私はまだ体温を「そこ」に残したままで
あなたが触れていった場所からひっそりと凍ってゆく
冷えて紅くなった耳に残る声は
冷たい空気に混ざる、「あいしてる。」
余韻の残る こんな夜は
身震いに冷度の声は胸丘でかさりと割れて
わたしは光る霞になって吹雪に散る
柔らかな冷たさの中に満ちてくる想いは
一人待ち続ける、私の姿。
去りし時を つららに変えて
まだ、まだ! この胸を刺し貫く。お前の触覚に触れる気配、冬の
手袋を捨てた手でわたしは吹雪の上の月に手をのばす
あなたのいる国へ 高みへ