奇跡・奇跡的な話[9]
2009 08/13 00:55
亜樹

それは私が小学生の頃の話だ。
その夏、我が家は親戚一同で、海水浴へ行った。
確かどこぞのホテルに宿泊したはずだ。
昼間遊び呆けて、ぐったりした私たちに
おじいちゃんが花火をしようと言い出した。
夜の海である。
浜辺には私たち家族以外、誰もいなかった。
当時の私は、向こう見ずで無鉄砲な子どもであった。
適当に並べられた花火の中から、少し太めなのを選ぶと
何の躊躇もなく火をつけた。

瞬間
私の手にした花火から
弟の左耳3cmを掠めて
火の玉が飛び出した。

そう、それはロケット花火だったのだ。

しかも連発の。

あわてた従姉妹のにいやんが、
あわてて私の腕から花火をひったくり
ことなきを得た。

今でもあの花火が
あと数cmずれていたらと思うと
ぞっとする。
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