巻頭詩保存スレ[82]
2006 04/23 12:40
大村 浩一

火がついたように 
笑い出した 
焼け落ちた橋の下 
崩れ落ちた建物が燃え尽きるのを待つ 

耳をすますと 
夜空でニヤつく小嶋 
学会に帰依している 

爪の破片で縫われた階段の奥に 
白いギターを隠して 
白くなくなったチュウリップハットを脱ぐ 
花より先に 
沈めた約束を 
忘れるための朗読会 
彼岸にて 

なのなの菜の花 
笑うたくさんのあなたがすき 
たくさんのペア 
見てみようよ 
いろんなツガイがある 
新鮮の極致にある魚卵を 
探している 
地球の核まで掘っても 
猫には一文字足りない 
根無しの子なの 
ヤクルトの空容器で数学を 
解いている間にも 
ベルリンを知らない少女のはにかんだ笑顔が眩しすぎて 

レゲエダンスがおじいさんに 
できるかなできるかな 
マルコスさんより 
歳食ってる 

窓は切り取り線の別名ですらなかった 
マジシャンの帽子へ隠せ 
帽子の中は亜空間 
宇宙に向かって開かれて 
目指される西にもつながっている 
そうして 
帽子の中で 
歌だけがいつまでも廻る 
だって餅を乗っ取った黴だもの 
徴と黴はよく似ている


06/04/23 12:35 sage
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