巻頭詩保存スレ[49]
2005 04/08 22:24
「ま」の字
空き缶は
軽々と吊るされ
曇り空の
錆びた蛇口に
赤と白
紋切り型の
うわさ話
まるで誰も見て居ないから
空に向って消えて行く
カラスの影
風に向って飛んだのか 飛ばされたのか
「ここまでおいで」
声を耳ではないところに
聞かせてほしい
私は多分消えていない
無駄に公衆電話のベルが鳴る
電話ボックスの透明な扉を開けるのは
寒い春だからだよ
「すきさ 」
あは は
月の無い夜
電信柱に向かって吼えてやる
なんて、
ああ
、そう
でも
愛してしまいそう
声が
耳元でささやくものだから