2004 11/16 03:06
多々田 駄陀
完成しない巻頭詩(2004.11.16.3:06)
山神
白い血が荒み
冬が萌え
手がしなる
コートの裾に隠れ
住み着く
サマンサとボギーが
うごかぬまま、じゃれあう
黙ったまま空が怒って
風が、すすり泣いて
波が背をなでてゆく
襖の奥で
筆舐める妻
と 死んだ子供
慣れなよ。ここであきらめるなって。
後で泣いていいから
全部まとめて、髪を
手繰り寄せて、私に、巻き付いた、其れを
おめめまっか
痛い目に遭うよ
ときには近所のおじさま
君の口癖は
ましょうのおんな!
「夜になればいい」
「夜になればいい」
朝が怖いのに