巻頭詩保存スレ[101]
2007 07/06 23:10
mizu K

あなた食パン 
わたしバター 
あなたグレープジュース 
わたしストロー 
あなたグリーンサラダ 
わたしドレッシング 
あなた目玉焼き 
わたしクレイジーソルト 
− 
あってもなくてもいいもの 
だけどそばにいたい 
− 
よくできましたって 
言ってほしい 
− 
あなたがくれたキャンディーは 
とても不思議なあじがした 
− 
おもいで 
− 
思い出のギターの話を笑ってしていた 
髪の先がきらきらしてたな 
僕はといえば相槌をうちながら 
砂山のとなりで両手足をひろげていた 
右からやってくる波に冷たくされても 
まったくかまわなかったんだ 
そして僕は左耳を砂浜に埋める 
するとどうだろうふわりとあの子が消えてしまった 
と同時に誰かの声を聞いたんだ 
「これで天秤座がうまく釣り合いました 
− 
波間に揺れながら分銅が影絵になっているのがわかりますか 
むかしギターを捨てたのはあの辺りです 
だから波音はギターの音色です 
日が暮れればきっと雨水はピアノの音階で町を打つでしょう 
昼夜打たれて痣だらけの町が大好きだ 
− 
子供たちが新宿駅の地下で迷子にならない 
ためにはどんな味の煙草を吸えばいいの? 
地球に初めて海が出来たのは何月のこと? 
七月です 
七月の味のする煙草を吸えばいいのです 
そして七月の味のする煙草を吸っているとき 
きみの唇はどのくらい乾いているかな」 
それで声は消えた 

070706 23:08
#thyme, sage, marjoram
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