批評しましょ[92]
2004 08/11 09:13
一番絞り

えーと。
あまりに幼稚で、ひどい反論なので放置しておいたら、たぶんわたしが「逃げた」と
思ったのでしょう、
答えろ! 卑怯だ! 怯んだか! などとさまざまな揶揄が跳んできた午睡機械さんの問題のレスを
ちょっと暇つぶしに、どこが「ひどい」か指摘して、わたしの議論に対する基本姿勢をみなさま
(山田スレでワンワンうるさかった方々)にこの機会にお伝えしておこうと思います。

わたしのこの基本姿勢はニューススレにもURLを示して、そこを参照し、議論の基本姿勢をご勉強くださいるよう
広くご伝達申し上げているのですが、午睡機械さんや、あほの過程、いや、あおの過程さん、ボルカさんは
ご存知なかったのでしょう。
さて、わたしの意見と午睡機械さんの反論を山田スレから引用して以下にコピーさせていただきます。
*
これほど曖昧なかたちで書かれた批判はない。こんな文章なら私にもすぐに書けま
すよ(いやな気持ちを抑えつつ、という条件つきですが
あなたは

> 谷川が、哲学的な断章を詩の形式を借りて書くこことにより、ある意味、
> 戦後日本人に共通の
> ものごと全般に対する姿勢や態度の「あいまいさ」を
> 詩の世界にも、持ち込んでしまったと思うからだ。
> なんとなれば詩とはそもそも行と行の間に「未だ見ざるもの・あらざるもの」を創り上げる作業であり
> 行間から「未だ見ざるもの・あらざるもの」を読みとる作業だと思うからだ。
> 哲学とは、「いまだ見えざるもの」をだれにでもわかるコトバ(指示表出)によって
> 現前化させることだとわたしは思っている。                             …ここまで(1)
> 哲学は行間に言葉を埋め込むような作業ではあってはならない。
> それらは明らかにだれにでも理解できるかたちで「すでにあるもの」として現前化させねばならない。   …ここまで(2)
> しかし、谷川は詩の形式を借りて哲学的な洞察を書くことにより、
> 哲学的にも中途半端、かといって詩も中途半端なものを書き続けてきた。
> その詩の構造はある意味で「非論理的」(な姿勢)であるといってもよい。               …ここまで(3)

  と、まず初めに「〜と思うからだ」「〜とわたしは思っている」というような語尾
を く用いていますね(1)。そして次に「ならない」
  「ねばならない」というマニフェストめいた断言否定命題がくる(2)。最後にそこ  を踏み台にして谷川批判を行う(3)。
  しかし(1)はその語尾からも察しがつくようにあくまであなたの主観でしかないも  のです。そしてまた(2)の断言否定もただ語勢が強
  くなっただけで、(1)で示された主観の(あるいはマニフェストの)域を出ていな  い(というか、あなたが、哲学を語るのですか?)。
  したがって、文章の核であるはずの(3)などは、その論理の土台(1)(2)において  まったく説得力がないばかりか、谷川の詩の具体的な一
  部分(あるいは詩集の題名)の引用すらないため、読者はその批判の正当性を判断す  ることができない。
  あなたの文章はそういうものになっている。私はあなたがそれを確信犯でやっている  のかどうかお伺いをたてようとして、前レス>>56
  おいて「むしろ、説得しようというおつもりはもとよりさらさらないのかも知れませ  んが、そのあたり、どうですか。」と書いたのです。

  だが、あなたはそれに答えず(というよりは私の文意がわからなかったのでしょ    う)、あまつさえ私を谷川のファンと決めつけ、まともに
  取り合わなかった。
  「あーたが腹が立とうが知ったことではありません」とのことですが、私は腹も立っ て いません。あなたに対して立てる腹などありませ
  ん。そうではなく、私はあなたの、批評における態度を問うているのです。もしもあ ら かじめ説得力を持たせようという気があなたにない
  のなら、私は今後あなたの全発言をスルーするつもりですが、もしあなたの周りがそ  んな読者ばかりになってごらんなさい、そうなればあ
  なたの批評は機能不全なものになるのではありませんか。
  (というわけで、きちんと書かれた谷川批判をお待ちします。)
*

この反論を読んで、わたしは改めて、本気で、「アホか!」と怒鳴りつけてやりたい気分なのです。実は。
しかしdisgustingなその気持ちをあえて抑えて、取り上げたくもないこの愚劣な反論をあえて取り上げ、わたしが
なぜこの反論に反応することを拒否したか説明しておこうと思います。
まずわたしは、午睡機械さんのこの反論を一瞥して、すぐにいやーな気持ちになった。
どうして人の意見を
「太い線で」読もうとしないのか?
ということだった。わたしはわたしなりにこの発言にかなり重い意味をこめている。いろいろ個人的不満がわたしにあろうと
そこを抑えて、わたしのその考え方の核をなんとか読み取ってやろうという姿勢を見せずして、
この方は最初から! 形式論理的な揚げ足取りに終始している!
曰く。
>(1)はその語尾からも察しがつくようにあくまであなたの主観でしかないものです。
あたりまえだろうボケ! おのれの主観でなくして何を言えというのだ! 犬ころみたいにおたくの気に入った
芸当をしろというのか! とわたしは内心あきれ返った。
>(2)の断言否定もただ語勢が強くなっただけ
>3)などは、その論理の土台(1)(2)において  まったく説得力がない
こういうった形式論理的な揶揄がつづく。
ニューススレで「議論のモデル」を示したように、議論というのはあくまでもその主張の妥当性を巡って
争われるものだ。日常の議論、公の場での議論、科学的議論と三つの段階があるとして
前二者は科学的議論のように数式を用いて完全な結論なり結果が実証できるタイプのものではないのだ。
〜と思う。〜と思わないレベルのものでしかない。しかしこのお方はこうのたわまく。
>読者はその批判の正当性を判断することができない。
正当性の是非? ふざけるな! と内心叫んでいたね、わたしゃ。
午睡機械さんは、まずわたしの意見の大筋を理解しようとしなかったか、出来なかった。
そのことによって、まずツールミンの議論モデルでいうところの「論拠」をわたしと共有できていない
ことがわかる。
いままで、このトビでなされた議論の文脈であえていうとわたしとは「世間」を共有していないということがわかる。
ということは、まず議論がこのままでは成り立たないから、互いの論拠の、つまりは
「世間」の確認作業から始めるという
時間のかかる対話からはじめなければ成らないということを示していた。
また、かれがどういうレベルの議論をしているか本人に自覚がないことから、議論そのものについて
懇切丁寧に教えてあげるところから始めねば成らない面倒くささがあった。
だからわたしはかれの反論を無視したのだ。
相手の意見の「大筋を理解しよう」という姿勢が見えなかったし、そのような不誠実なやからが、
わたしの不誠実をなじっているという戯画もうっとうしかった。
それを「逃げた」ととったのか
ワンワンとうるさくなったので、たまらなく、ほんとうに逃げ出した。
これらの方々に改めて言っておきます。
わたしは相手の意見を「太いラインで」読もうとしない連中から、議論を強要されるのも、返答を強要されるのも
今後とも完全にお断りします。はい。
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