批評しましょ[77]
2004 08/10 13:20
ボッコ

>>67

別のスレッドでの細かいいさかいの経緯とかを持ち込まれてもよくわからないけれど、批評の方法とかスタンスの話として、「世間」っていう見方は面白いと思うので、もう少し話を続けて欲しいなぁ。

世間の意見に一致するとか一致しないとか、べつにどっちが「正しい」っていうのを決めるのが批評の目的じゃないだろうし(一つの見方としては)。一石を投じればいいのなら、その投じ方にどのような表現方法をとっても良いわけだし(どれかのレベルの「世間」の常識を尊重しながら論じても、最初からそれに反するようなことをずばっと言ってしまっても)。色々計算した上でそれをする人もいれば、殆ど本能的にやるひとも、単にずれてるだけの人もいるだろうけれど。発言してる人が実際そのどれかなんて、ただ傍で聞いているだけの人にはあんまり関係ないし。

価値を評価して、決定するのが批評の目的だというのなら、批評はあるレベルの「世間」の暗黙の合意を探り出して、それを言葉にするだけのものになる(一つの見方としては)。そんなことなら投票制にでもしてしまった方が早いわけだし。

個人的には、作者を論じるにせよ、作品を論じるにせよ、批評の基準は「価値」でも「世間」でもないような気がする(勿論批評家として固定的な読者を得たい場合に、特定の価値の擁護者や、特定の世間の価値観に通暁することはあるだろうけど、たんにそうでないアマチュアがする場合には)。

じゃぁ何か?って言われたら、私にはよくわからないけれど。作品に対する二次創作のような形で、自分の経験とかを作品に投影して別の読み方みたいのを出していくのもありだろうし、或いは自分自身で十分明確化されてない自分の思想とか体験をはっきりさせる、それを表明するための手掛かりとして作品を読むようなことをしてもいいのかもしれない。或いは、他の作品や作者と比較して、どのへんに特徴があるのかをいかにも文「学」のように客観的に論じてみてもいいのかもしれない。或いはそんな崇高じゃなくて、もっと単に、自分の好きな作品とか売りたい作品を読んでくれる人を増やすための、CMとして、上手くその作品の良さとか素晴らしさを語りまくるような形でもいいのかもしれない。他にも何か多分あるんだろう。
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