批評しましょ[193]
2004 08/21 03:45
佐々宝砂

>>有井さん他みなさん 特に>>184 >>163

まずは懺悔します。>>163の有井さん発言に「激しく同意」したのは我ながら早計でした。よくよく読むと「激しく同意」はいたしかねるのですが、私は自分の文章を削除しない主義なので、「激しく同意するスレ」への投稿も削除せず、ポイントも取り消さずおきます。おもしろがらせてくれたのは確かなので、御礼はせねばなりません。ええ、文章として面白く読んでしまったがために、読み流してしまったところがいくらかありました。私はイキオイと迫力に騙されやすいたちなので、こういうことになりがちです。しかしそれは別に有井さんが嘘つきという意味ではありません。

>>163
>批評っ?てゆうか、詩を読みこめない方が偉そうに言わないでほしいのよねぇ。あんたたち、それぞれの自閉の地平で、世界と当たって、触ってみて、コトバにならないものをコトバにしてゆく格闘や思考を続ける姿勢がみられないわ。その姿勢がない限り詩人とは言いません。あんたたち詩を書く行為においても批評する上においても凡そ社会の隔絶したところの世界で、地に足がつかないままね。

私は石畑さんの「足」という詩について言及せずにきました。私にとっては不得意な分野の詩なので、きちんとした批評などできないと自覚があったからです(いまもきちんと読み込めないだろうと思っています)。詩を読むにもバカの壁があるというなら、まさに私にとってのバカの壁がそこにありました。わからんものはわかりません(「バカの壁」という言葉は、バカには言葉が通じないという意味ではないので念のため。この場合、私が「バカ」なのです)。私は性的な表現におもしろみを感じないたちで、無機的なものに惹かれます。私が「足」のような体験を実際にしたとしても、私はこのようなかたちでは詩にせず、足洗人形くんと足洗われ人形ちゃんの自閉した人間不在の詩にしてしまったんではないかと思います。それも、どこかできいたようなSFガジェット的な言葉を予定調和的に配置して、です。私は、おそらく、そのようなかたちでしか詩を書けませんし、また、世界に関われません。それでも、私は私にしかできない方法で(触わりはしないにしろ)世界と関わろうとしているのであり、たとえ贋物しかつくれないとしても地に足がつかないとしても、詩人ではないと断言されたくはありません。

詩人ないし詩はかくあるべきだ、という言説は、常に危険を孕みます。私が憂慮するのは、レベルや権威の問題ではありません。「おまえのなんか詩じゃないやい」と言われた作者が凹むという危険をさしているのでもありません。詩を定義してしまうことの危険です。

>>184
>わたしはコトバで世界の実相に出会いたいと思って読む。
人が詩に何を求めようとも自由、ならば、世界の実相などふりほどきたいと思って読む、そんな人間がいてもいいでしょうし、私はそんな人間です。コトバで世界を壊したいと思って読むひともいましょうし、自分自身の「生きる日常」をスパッと断ち切って、コトバで架空を成立させようとして詩を書く人もいます。いると思います。私はそのような詩人になりたいと常日頃考えているのですが、まだなれません。

有井さんの意見、いましばらくじっくり考えてみたいと思います。
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