2009 04/14 21:38
石川和広
the smiths
姉さん、今日も夜が明けたね
僕はずっと眠れなかったよ
姉さんは学校を出て遠い町で働いているけど
あまり最近連絡がないね
曇った朝だから
そんなにキレイな朝焼けではない
ひびの入った花瓶には花がなくて
もうそこに活ける人はいない
ママの帰りも遅いし
冷蔵庫から牛乳を出したよ
それを鍋に出して温めるよ
僕は学校ではいつも冴えなくて
一人で河で遊んでいる
姉さんはさあまり笑わなかったなあ
この町ではそうだったね
僕もつまんないよ
いつもいつもいつも
姉さんはいつも帽子をかぶっていた
曇りの日でも
今日も僕は学校に遅刻すると思うよ
またもう一度眠るから
昼くらいに河に行って
昼寝でもしてくるよ
遠い町で、働いている姉さん
そっちでは笑っているのかな
別に姉さんのことそんなに好きじゃないし
だいたい僕は女の子のことで頭がいっぱい
ただ帽子をかぶっているすこし猫背の背の高い女の子を
みつけると姉さんを思い出して
その人がどんな笑顔をするだろうかって
なんだか気になるんだよ
別に声はかけないんだけどね