2008 07/16 12:11
桜 葉一
＊＊＊ こんな村いやだ ＊＊＊
佐藤「村長……今年もヤマガミ様に生贄を捧げなければいけない日が近づいてきましたね……」
村長「あぁ……昨年は岡本さんとこの子……一昨年は園田さんのとこの子じゃった……この村は小さいからな、わしにとってはみんな家族同然の存在なんじゃ……あの子達もわしにとっては曾孫のような存在じゃったよ……みんな可愛かった……わしは、今まで生贄になった子達のことは絶対に忘れられんよ」
佐藤「村長、昨年の生贄は寺崎さんのとこの子です」
村長「……そうじゃったな……元気で明るい、冒険心の強い男の子じゃった……」
佐藤「いえ村長、物静かな女の子でしたよ」
村長「……さて、今年はどうするかの……たしか、今村くんとこの娘さんが今年で8歳になったはずじゃよな……」
佐藤「えぇ……８歳から１０歳までの子どもですからね……他に吉田さん、剣持さん、長尾さん、赤石さんのとこの子どもがそうです……」
村長「辛いな……この時期はわしにとっては本当に辛いんじゃよ……なにせ家族を犠牲にするようなもんじゃからな……本当に身を切る思いじゃよ」
佐藤「えぇ、そうですね……。それと、村長言いにくいんですが……」
村長「なんじゃ？」
佐藤「いえ……」
村長「いいから、言ってみぃ」
佐藤「それが、えっとー……その、いえ、これは別にあの、悪気があって言うわけではないんですが……村長の曾孫さんのアリサちゃんも今年で８歳です……」
村長「はぁ！？ うーちのアリサに手ぇ出すんじゃねぇボケェ！！ 今村んとこで決まりだよ！！ アイツんとこのガキはわしのことをジジィって呼びやがったんだ！！ ……ったく近頃のガキはまともな教育を受けてねぇ……」