連座 萬草庵 壱軒目[833]
2006 07/04 22:48
小池房枝
這い回る毛虫ロシアンルーレット
羽化場所はうかうかしてたら探せない
踏まれ毛虫の毛皮乾いて風に立つ
踏まれ毛虫の形見 空気が痛痒い
干からびたミミズ夕立に戻される
ひからびたミミズ再び雨を吸って
干しミミズ干しアンズたった二字違い
薬効が規定されるのはどの部分?
雨のたびミミズは路上の避難民
ミミズ何故ミミズ?水には生きられないのに
#以上、[834]小池房枝[2006 07/06 14:02]投稿。
たれぱんだ七夕の笹にたれている
さらさらと金銀砂子の砂時計
文月や短冊の笹とたれぱんだ
冬の瓜、冬瓜は夏のヒスイ色
獏遍く星祭りの空駆け巡る
郵便のヤギさん短冊召し上がれ
七夕の晴れ間を
鳥姫が待って飛ぶ
台風がその気で海を翔けてくる
夏は猫が長くなるまるでツチノコだ
ジャイアントパンダに笹を捧げ奉る
#以上、[833]小池房枝[2006 07/04 22:48]投稿。
ベランダにクチナシがひとつ浮かんでる
夜がひとつ白い花を身に着けている
あたたかな空気に甘さが滲んでる
外の夜にベランダがひとつ浮いている
真っ白なテヅルモズルよ烏瓜
カラスウリ触手に毒はないそうな
萩も夜は散るのを止めてお眠りなさい
ネムも夢を集めていっそう紅くなりなさい
#以上、[832]小池房枝[2006 07/03 21:45]投稿。