平成時代の身の上相談[3]
2008 01/30 10:56
渦巻二三五

私は、よく学校の夢をみます。それはたいてい悪夢です。
このあいだも学校の夢をみて、それで幼いころの嫌な思い出がよみがえってしまいました。
それは、小学生になって初めての家庭訪問のとき、担任の女性教諭と喧嘩になってしまったことです。
先生は、
「二三五さんは平仮名がおぼえられない」
と母に告げました。
そんなことはない、と私が反論いたしますと、
それでは「ほ」という字を書いてみよ、とおっしゃいました。
私が書いた文字をみて、先生は間違っていると言われる。
確かに、お手本どおりではないかもしれない。
しかし、「は」も「ま」も縦の線が横棒を突き出ているのに、「ほ」だけは横棒から突き出て書いてはならんというというのは、どうにも納得できないことでした。
どうしても横棒を飛び出てはならない理由があるのなら、説明をしてくださいと申しました。
「決まりだから」というだけの先生より、私の主張の方が理にかなっています。
しかし、先生は「決まりです」の一点張りで、話し合いは物別れに終わりました。
そして、私は長らく「平仮名の書けない子」というレッテルを貼られることになってしまったのです。
今となっては、「ほ」の縦線が横棒を出ない理由をおおむね理解しておりますが、なぜあのとき、先生は文字の成り立ちからその理由を説明してくださらなかったのか。
そうすれば、私はもっと早くから「ほ」を正しく書くことができましたし、自分の主張を曲げて理不尽な規則に従って「ほ」を書かざるを得ないなどという不愉快な気持ちを味わわずにすんだかもしれないのです。
私はふとこのときのことを思い出し、いまさらながら、悔しさがこみ上げてきます。と同時に、当時の自分の胸の内を思うと、なんとも哀れでならず、涙ぐんでしまうほどです。
このような自分の感情を、どのようにしたらおさめることができるでしょうか。
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