廃人がポツリとつぶやく部屋7[175]
2007 07/25 10:12
川村 透

まちの商店がまた一軒、廃業してしまった。頑固だけれど前向きで、いつも率先してあかあかと「暗い商店街はいかん」と明かりを灯されていた。今月一杯で消えてしまうのだ。ひとり、またひとり、一軒、また一軒、いつかは玉の出るロシアンルーレットが、小さなまちでは日常となって久しい。まちのとある商店では、ご主人が病に倒れた。商店会の事業で、合同チラシの各店舗アピール文を募集して、文案をいただきに回ると、(もちろん日当なんてない商店会の委員会活動)、爪あと、のようなものが滲んでくる。ひびわれた堤防に突っ込んだ手足は、抜くわけにはいかない。もう手も足も残っていない。いつまでささえられるんだろうか?ただ家族だけを見つめて、「詩」だけを抱きしめて、なぜ生きていけない?答えはわかっている、こどもたちの世代にツケをまわさないように、なんとか持続可能な「世界」を残さなきゃならない。そのためには「気づいてしまった」以上、背負うしかないのだ。
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