聞きちがい見まちがい&だじゃれスレッド[151]
2004 09/08 02:45
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運ばれてきたスープを一目見て、男は息をのんだ。

「これは・・・」

見たことも無い色のスープだった。
赤いのや白湯ならば知っている。黄色も緑も、黒いスープさえ記憶にあった。
しかし男に運ばれてきたそのスープはブルー、いや寧ろ濃い紺色に近かったのだ。

「すみませーん」

男は手を上げてウェイターを呼んだ。
こんなスープを注文した覚えは無い。俺が頼んだのは・・・

その瞬間、激しい電流が男の体を突き抜けた。
(しまった・・・!)
しかしもう遅かった。すべてが周到に用意されたトラップであった。
日常という草原に巧妙に隠された落とし穴であった。

ウェイターが男の傍らに立つ。
男は下唇を強く噛んだ。
ウェイターの口元がすこし緩んでいる。
これが何人目の犠牲者だろうか?
彼の台詞は、いつも同じだ。

「お客様、『紺染めスープ』が何か?」
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