好きなフレーズ その3[705]
2011 03/31 10:21
佐々宝砂

峠三吉の悲惨は、最後まで峠三吉ただ一人の悲惨である。この悲惨を不特定の、死者の集団の悲惨に置き代えること、さらに未来の死者の悲惨までもそれによって先取りしようとすることは、生き残ったものの不遜である。それがただ一人の悲惨であることが、つぐないがたい痛みのすべてである。

(「アイヒマンの告発」 石原吉郎)

#私たちは生き残りなのだ。
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