連座 萬草庵 弐軒目[825]
2010 08/30 21:19
佐々宝砂
別れると言えず夜明けの原爆忌
冬瓜を思ひ切りよく切りにけり
祖母の手のまだこまやかに真桑瓜
お羽黒や黒曜石の火花散る
倦怠じゃないさ夜空に北十字
「懐かしの七月」、我は選ばれず
餓えし蛸我の手足を食ひに来よ
二の腕の白きを恥づる君愛(かな)し
三下に惚れる女の浴衣かな
端居して来ぬ人なぞを待ちてみる
#「懐かしの七月」は稲垣足穂作品
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