雑談スレッド5[658]
2004 09/23 15:15
藤原 実

昔、芦屋市立図書館で大森一樹監督の『Making of オレンジロ−ド急行』という本を借りたら
サイン入りの著者寄贈本であったりして、同郷ということもあり、大森監督というのはなんと
なく気になる人なのです。

たしか『ヒポクラテスたち』が公開されて間もないころのことなので、もう四半世紀前という
ことになってしまうのですが、大阪の某所で大森監督のアマチュア時代の自主制作作品の上映
会ありました。
『暗くなるまで待てない』『明日に向かって走れない!』等を見たあとでゲストの大森氏をか
こんでの質問コーナーがあって、そこでぼくが「パロディに関してはどんなふうに考えてられ
ますか?」といった質問をすると、「パロディとかそんなんじゃなく・・・、ぼくは・・・好きな映
画のシーンをなんかじぶんでもやってみたかったというか・・・」というようなことを、ボソボ
ソとうつむき加減で言われたのでした。
なんだかはぐらかされたようでもあり、大きな体を丸めてこちらとほとんど視線を合わせよう
としない様子など、正直「さえない男だなあ」などと思ってしまったのでした。当時の大森氏
といえば、石井聰互監督とならんで映画青年たちの間ではスター的存在だったので、そのギャ
ップから、そんな印象を抱いてしまったのかもしれません。
今にして思えばあれはパロディというよりオマージュというべきであり、ぼくの質問のほうが
ピントはずれだったのです。大森氏にすればいちいち説明するのがめんどくさかったのでしょ
う。

『風の歌を聴け』に関しては小林薫と室井滋のベットシーン(?)で、もうちょっとかわいい女
の子をつかえばいいのに・・・、と思ったこととか、ラストのピーナッツの殻が舞うカットが美
しかったこととか、この映画が興行的にこけたために、大森氏がその後数年間、映画を撮れな
かったことなどが思い出されます。
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